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肉塊300グラムを火入れ技でおいしく 東京・西永福

2019/11/18
「ステーク&フリット」。取材日の肉はサカエヤ(滋賀県)のあか牛サーロイン
「ステーク&フリット」。取材日の肉はサカエヤ(滋賀県)のあか牛サーロイン

東京都杉並区の京王井の頭線・西永福駅のほど近く、あまり人通りのない路地裏。昼間は閉まっているシャッターが日が傾きかけたころにゆっくり開く。何の店かまったくわからないのだが、夜な夜な多くの客でにぎわっている。「あそこ、なんの店?」「調べても、出てこないのよ」。きっとこうささやかれている店は「meuglement(ムーグルモン)」。熟成肉のステーキとヴァンナチュール(自然派ワイン)の専門店だ。

Summary
1.東京・西永福のゆったりした路地裏にひそむステーキ店
2.焼く前に披露される肉の塊。ワインも「肉をおいしく食べるため」
3.熟成肉の水分を閉じ込めながら揚げ焼きする職人技ステーキ

オーナーでありシェフである中森隆司さんはあえて店の内容がわかる情報を外に出していない。そこには、12席しかない店のため、まずはこの店が好きでこの店で食べたいと思って来店してくれる客を大切にしたい、という思いがある。

店内に入ると目に入るのがコの字のカウンター。奥に向かって階段状に下がっており、なんともユニークで不思議な内観だ。

中森さんは神楽坂の人気肉イタリアン「カルネヤ」で肉の魅力に取りつかれ、六本木にあるステーキの名店「祥瑞(しょんずい)」でシェフとして活躍した後、2019年2月にこの店をオープンした。

「以前、吉祥寺に住んでいたこともありこのかいわいの雰囲気は知っていたので、井の頭線沿線で物件を探していました。ここはもとはラーメン店だった物件ですが、個性的な内観にひかれました。西永福は吉祥寺や下北沢、渋谷からも割と近いですし、中央線の阿佐ケ谷駅も、自転車やバスですぐなんですよ」と中森さん。

メニューは大きくシャルキュトリー(肉を使った総菜)、サラダ、ステーキ、パスタに分かれる。

肉のかたまりを見た上で、どの肉を何グラム食べるか決める

まず肉の塊を見せられ、どの肉をどのくらい食べるかを決定する。そこから、肉以外のメニューを選んでいく。すべては「肉をおいしく食べていただくため」という目的をブレさせず、同時に客のテンションを一気に上げる、優れたプレゼンテーションだ。

肉は一流シェフたちから定評のある希少熟成肉専門卸・エレゾ(北海道)、サカエヤ(滋賀県)などから、ステーキにちょうどよい熟成具合(30日前後)のものを取り寄せる。中森さんが重要視する点は、「赤身と脂のバランス」「味の濃さ」 そして「含む水分量」。

「ムーグルモン」では肉を揚げ焼きにするため、肉の中に水分が蓄えられていないと、フライパンの中で肉が暴れてしまう。理想的な状態に火入れするためには、肉の水分量はとても大切な要素だ。

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