2019/11/8

インターンinside

また、神奈川県内の私大1年の女子学生は「先輩たちがバイトを辞めて長期インターンを始めたと聞いて、バイトじゃダメなのかと焦り始めた」と打ち明ける。

■接客や営業ならバイト経験役立つ

しかし、都内の私大4年の男子学生の見方は少し違う。これまでに接客などのいわゆるバイトと長期インターンの両方を経験してきた。周囲にインターン経験者も多い。彼は「バイトより長期インターンの方が格上という見方は、ちょっと違うと思う」と話す。

なぜなら、「結局は本人の目的意識次第だから」。例えば、「接客のバイトは将来、営業とか接客の仕事につくときに生きる経験になった。オフィスでインターンとして働くことだけが、社会経験ではないと思う」と話す。

学生らによる活発な議論が行われた

また、一部で長期インターンの学生を都合のよい戦力として酷使する企業も、残念ながらある。やりがいがあってスキルも身につくことを強調し、残業や仕事の持ち帰りを暗に求めるといったケースがあるようだ。インターン求人紹介サイトのJEEKやInfrA、アイタンクジャパンなどでは、こうしたブラックな事例が見受けられた場合にはすぐに対応策を講じる。例えばInfrAの場合は「約束した条件に反し学生に不利益があった場合には、当該企業はサイトからの退場処分になる」(運営会社Traimuuの高橋慶治社長)という。

■ブラックインターンにご注意

「あれはちょっとブラックだったなあ」と振り返るのは、都内の大学3年生の女性。ファッションに興味があり、服飾系の勉強をしている。1年生の夏からこれまでに3種類の長期インターンを経験した。そのうち1社で「もう少し出勤してほしい」と当初の契約以上に働くことを求められたことがあった。「これくらい家でできるでしょ?」と自宅に持ち帰って残業するよう頼まれたりすることも、頻繁にあった。SNSを活用したマーケティングの仕事で「身につくスキルとか知識は、普通のバイトとは桁違いだったけれど、この会社で働き続けることはできないと思った」という。

ただ、この女性はこの経験を決してネガティブに捉えていない。「こういう会社はダメという経験も含め、業界の仕組みや収益のあげかたもわかった。自分の中に判断軸がちゃんとできた」という。さらに面白いのは、普通のアルバイトも今も続けていることだ。「着物で接客する飲食店だから、日本の伝統的な作法を学べる。バイトもいろんな経験になります」と話す。

大学時代は社会人への助走期間である。どんなふうに助走するか。それを決めるのは自分だ。

(藤原仁美)