ブルーライトから目を守る スマホは1時間ごとに休憩

実際、スマートフォンあるいはパソコン作業を4時間行い、使用前後の自覚症状、目の疲労、涙液の膜の状態や酸化ストレスについて比較する試験を行ったところ、目の表面の活性酸素量は両群で高い値を示したが、それ以外の項目ではスマートフォン使用のほうが疲労感が増加し、涙液の質は低下、涙液膜の酸化レベルの指標となる「ヘキサノイルリジン」という物質のレベルも高くなった(下グラフ参照)

また、このような目の酷使が重なり、酸化ストレスが強い状態が続くと、「ドライアイだけでなく、白内障や、加齢黄斑変性などの目の疾患リスクが高まることがわかっており、注意が必要」と堀教授は付け加える。

80名の健康な被験者がスマートフォンまたはパソコン作業を4時間行い、前後の自覚症状と眼精疲労を評価。また、涙液膜の状態や、酸化ストレスマーカーも測定した。スマートフォン群では、パソコン使用群よりも目が乾燥し、疲労度が増加、涙液の質が低下、涙液膜の酸化レベルが高くなった。 (出典:PLoS One. 2018 Oct 31;13(10):e0206541.)

ブルーライトの浴びすぎで失明リスクが高まるか

パソコンやスマートフォン、テレビといったLEDディスプレーやLED照明から発されている光、ブルーライト。このブルーライトについて、「失明の危険性を高めるか否か」という議論が起きている。

発端は2018年7月にScientific Reports誌[注1]に発表された「ブルーライトを長時間浴びると視力低下リスクが高まるかも」という研究報告。目の網膜にある物質にブルーライトを照射したところ、細胞死が起きたという試験を元にまとめた論文だ。これを受けて米の一部メディアが「ブルーライトが眼球細胞を殺す」などと報道。

それに対し、8月に米眼科学会(AAO)は同研究はあくまでも培養細胞を用いた基礎研究にすぎず、「スマートフォンからのブルーライトが失明リスクを高めることはない」という声明を出した[注2]

日本の「ブルーライト研究会」は世話人代表の慶応義塾大学医学部・坪田一男教授(眼科学)名で、10月に「ブルーライトの光の特性を考えたとき、この影響は慎重に検討していかなければならない」というコメントを出している[注3]。「まだ失明につながる疾患リスクの臨床データは不足しているが、少なくとも、夜、近距離でブルーライトを見続けることは、決して体によいとはいえないため」(坪田教授)。

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ブルーライトを夜に浴びると体内時計が狂う