契約上の根拠なく時間外労働をさせれば違法となりますし、時間外労働をさせた時間について会社は残業代を支払う義務が発生します。

 これが深夜や休日であれば、通常の労働形態であれば労働基準法上、時間外労働や休日出勤になり、所定の割増賃金を支払う必要がでてきます。

 しかし、こうした時間外メールへの対応に割増賃金が支払われているという話はほとんど聞いたことがありません。上司は「返信や対応を強要したわけではない」というかもしれませんが、時間外メールが常態化し、労働者もこれに対応し続けてきたということであるならば、それは企業側が黙認したものとして労働時間になりうる可能性があります。

労働者の就業環境を害しているといえるか

 また、終業時刻後や休日のメールなどは「パワハラ」に該当する可能性があります。

 今年5月に成立した「改正労働施策総合推進法」(通称パワハラ防止法)では、パワハラについて(1)優越的な関係を背景とした言動(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの(3)労働者の就業環境が害されるもの――と定義づけています。上司と部下という関係で、緊急性を要しない用件であるにもかかわらず、休日や深夜に業務を行わせることにより就業環境が害されているといえる場合、パワハラになりえます。

 このコラムのCase:39机をたたきながら怒鳴る 『パワハラ』上司を訴えたい」でも紹介した6類型のうち、(4)過大な要求および(6)個の侵害に該当するものと思われます。

 時間外メールや電話により業務時間外に上司からの叱責や顧客から受けたクレームが、過労死などの原因の一つになることが多いとの指摘もあり、実は深刻な問題なのです。

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海外は「つながらない権利」が法律で保護