「旅する知性」 相棒のかばんはベルルッティ日本総合研究所会長 寺島実郎氏(下)

寺島文庫の6万冊に関心領域が凝縮されている

――こだわりといえば寺島文庫と呼ばれる蔵書もものすごい数です。

「寺島文庫の6万冊に、僕の関心領域が凝縮されています。それが僕のコンテンツです。本好きの人間が本を読んでいるうちにたまりました、というようなものではありません。広いジャンルを深く掘り下げています。三井物産に勤めていたころ、たとえば中東に行くならばまず本を読みあさり、一定以上の理解ができるように努めました。でも浅はかな理解ではまるで相手にされず、一敗地にまみれてまた戻り、必死にかき集めた本をまた読み込む。インテリジェンスの力というのはそういうものなんです」

6万冊を超す膨大な書籍がテーマ別に整理されている。「本と本の間にスパークして見えてくるものがある」

――毎月1度、札幌から福岡まで7つの映画館を結ぶライブ・ビューイング塾(アミューズ主催)もスタートしました。スクリーンを使って知的活動の場を創り出す、ユニークな試みですね。

「エンタメではライブビューイングはよくあることなのですが、社会科学系では初めてでしょう。(エンターテインメントプロダクションの)アミューズ会長の大里洋吉さんとの心の通い合いから始まったことです。日本人はいま、スポーツの結果と夜のテレビ番組だけで情報にアクセスできればいい、という感覚になりつつあります。そんな薄っぺらい国にしたくないというのがメッセージなんです」

「普段何も考えたことがない人でも、世界経済の動向、高齢化社会の問題などを、本気で深く考えてみる方向に持っていきたい。どこまでできるかという実験場だと思って挑戦しています」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

夏の装い直前講座
Watch Special 2020
Fashion Flash
夏の装い直前講座
Watch Special 2020
Fashion Flash