「なだ万で言い続けているのは『凡事徹底』」と野原社長 

なだ万で言い続けているのは「凡事徹底」。当たり前のことを徹底してやりましょうということです。飲食業ですから、なにより大事なのは整理・整頓・清潔。絶対に異物混入や食中毒という食品事故を起こしてはいけない。言い続ければ心の隙をつくらない。ある会社が、業績が悪化した飲食チェーンを買収し、V字回復させたのですが、回復の理由を聞かれた社長が「店をきれいにしただけですよ」と答えていらした。意識的に徹底してやることが大切なのだと思います。

組織の潤滑油となるあいさつも徹底するようにしています。そして、最後は笑顔。笑顔がよければ、お客様に繰り返し店に来ていただける。人を心地よくさせると同時に、自分自身の健康にもいい。うちは全国に総菜店も展開していますから、そこのスタッフにも「笑顔で接客しなさい」と伝えています。社長に就任してから、凡事徹底・あいさつ・笑顔、この3点を繰り返し言っていますね。

――効果は出ていますか。

おかげさまで、一昨年は5年ぶりに増収増益でした。昨年は、閉店した店や改装で休業した店の影響から売り上げは落ちたのですが、増益は達成できた。笑顔が増えているんじゃないかと思います。

――海外店も展開されています。

現在、中国、香港、マレーシアのシャングリ・ラ ホテルに6店出店しています。フランチャイズ方式で、当社からは調理長と支配人に加え、調理人など数人を現地に派遣しています。また、上海とマレーシアの店は、カジュアル業態「ジパング」の名前で展開しています。上海は今年、なだ万から業態変更しました。

なだ万ブランドの店とは異なり、「ジパング」では現地のお客様の好みに合った日本料理を出しています。例えば、中国の方は脂の乗った銀ムツがすごく好きで、照り焼きを出すと、とても喜んでいただける。それから、やはり牛肉メニューは欠かせない。なだ万には秘伝のタレで焼いた、とてもおいしい「牛肉香味焼」という料理がありますから、これを丼にしてお出ししています。

また、中国では、一人ひとりに小さな器で出すコース料理よりも、大皿料理をみんなで取り分けるスタイルが好まれます。上海の「ジパング」が軌道に乗れば、さらにこうした形での海外展開も増えていくと思います。

メールマガジン登録
大人のレストランガイド