スパイス&ハーブ料理で脂肪を燃焼 老化の防止にも

日経ヘルス

2019/11/8

まだまだある !スパイス&ハーブ図鑑

欧米では、スパイスやハーブの味や香りを楽しむだけでなく、不調の解消などに役立ててきた。その優れた機能について紹介していこう。

古代より殺菌や消臭、防腐のほか、メディカルハーブとしても使われてきたスパイス。ここまで紹介した3種類以外にも、ダイエットや抗老化の効果があるものも。八木教授は「スパイスには血流を改善するものも多く、新陳代謝を促してくれる可能性がある」という。

スパイスが脂肪細胞に及ぼす影響について研究する千葉大学の平井静准教授は、「培養細胞を使った研究で、セージやローズマリーなどに脂肪細胞の分化を抑える作用があることが確認された。体脂肪を減らすのに役立つ可能性がある」と話す。

体の中に蓄積した老化物質AGEsを分解する作用を持つスパイスもある。「フェンネルのほかハイビスカス、フェヌグリークなどでも、AGEsによって劣化したり、酸化したたんぱく質を分解する働きを増強する作用があることもわかってきた。スパイスを上手に使うことで、老化や不調の原因となる糖化や酸化ストレスから体を守ったり、美肌効果を高めることもできるのでは」と八木教授。

上からローズマリー、タイム、セージ、オレガノ
【ローズマリー】煮込み料理やマリネに

科名 : シソ科
使用部位 : 葉
原産地 : 地中海沿岸

すっきりとした清涼感のある香りにピリッとした刺激と甘さを感じられる。「ドライリーフは甘さがほとんどなく薬品のような刺激的な香りが強いので、少量を使って」(日沼さん)。

相性のよい食材(ドライ)


あわせる食材 相性度
野菜     ★★☆
魚介     ★☆☆
肉      ★★★
果物     ☆☆☆
菓子・パン  ★★☆
【タイム】抗菌力が強いハーブ

科名 : シソ科
使用部位 : 葉
原産地 : 地中海沿岸

臭み消しと香りづけとして、煮込み料理によく使われる。「フレッシュはどの食材にも合う。ドライは香りが強いので、味の濃い肉料理に少量使うのがお薦め」(日沼さん)。

相性のよい食材(ドライ)

あわせる食材 相性度
野菜     ★★☆
魚介     ★☆☆
肉      ★★★
果物     ☆☆☆
菓子・パン  ★☆☆
【セージ】ソーセージの名前の由来

科名 : シソ科
使用部位 : 葉
原産地 : 地中海沿岸

ソーセージの“セージ”は、ハーブのセージが由来。抗菌作用があり、食材の臭みを消す。肉料理のほか、「クリームを使った煮込み料理にも合う」(日沼さん)。

相性のよい食材

あわせる食材 相性度
野菜     ★★☆
魚介     ★★☆
肉      ★★★
果物     ★☆☆
菓子・パン  ☆☆☆
【オレガノ】トマト料理と好相性

科名 : シソ科
使用部位 : 葉
原産地 : 地中海沿岸

オレガノは「山の喜び」という意味のギリシャ語に由来。ミイラを作るときにも使われていた。ソースをおいしくするスパイスとして知られ、トマトやチーズとの相性がいい。

相性のよい食材(ドライ)


あわせる食材 相性度
野菜     ★★☆
魚介     ★★☆
肉      ★★★
果物     ☆☆☆
菓子・パン  ★☆☆
上からカルダモン、フェンネル、スターアニス(八角)
【カルダモン】スパイスの女王

科名 : ショウガ科
使用部位 : さや、種子
原産地 : スリランカ、インド

世界で最も古いスパイスの一つ。カレー粉にも調合される。「かんきつ系の爽やかでわずかに刺激のある香りが特徴。鶏や白身魚などの淡泊な肉に合う」(日沼さん)。

相性のよい食材

あわせる食材 相性度
野菜     ★☆☆
魚介     ★★☆
肉      ★★☆
果物     ★★★
菓子・パン  ★★★
【フェンネル】アニスに似た甘い香り

科名 : セリ科
使用部位 : 果実(種子)、葉
原産地 : 地中海沿岸

「クミンに似た香りと、アニスに似た甘い香り。かむとカレーのような味がする」(日沼さん)。欧米ではピクルスやニシンのマリネ、ザワークラウトなどによく使われる。

相性のよい食材(ドライ)


あわせる食材 相性度
野菜     ★★☆
魚介     ★★☆
肉      ★★☆
果物     ☆☆☆
菓子・パン  ★☆☆
【スターアニス(八角)】アジア料理に欠かせない


科名 : モクレン科
使用部位 : 果実
原産地 : 中国南部、ベトナム

甘い香りが特徴で醤油とも合う。中華料理では鶏肉や豚肉の煮込みなどに使われる。山椒、フェンネル、シナモン、クローブと合わせた五香粉の材料に。

相性のよい食材

あわせる食材 相性度
野菜     ★☆☆
魚介     ★☆☆
肉      ★★★
果物     ★★☆
菓子・パン  ★☆☆

脂肪細胞の分化の調整に関わるたんぱく質「PPARγ」に反応するようにした培養細胞に、様々な香辛料エキスを加え、PPARγの働きを見た。ローズマリーやセージでは働きが抑えられ、脂肪細胞の数を減らす可能性があることがわかった。

※「相性のよい食材」の表は、日沼紀子『スパイス&ハーブ料理の発想と組み立て』(誠文堂新光社)から作成。

料理を考案したのは

日沼紀子さん
スパイス料理家/スパイス調合家。食品メーカーでスパイス商品開発の後、カフェオーナーとしてスパイスやハーブを使ったオリジナル料理を提供。著書に『日常づかいのシナモン・レシピ』(産業編集センター)など。

花椒と山椒パートの解説は

森谷敏夫さん
京都大学名誉教授。京都産業大学・中京大学客員教授、運動医科学研究所所長。肥満のメカニズムに関する研究を行い、筋肉と栄養・シェイプアップに詳しい。著書に『京大の筋肉』(ディジタルアーカイブズ)ほか。

クミンの解説は

八木雅之さん
同志社大学生命医科学部糖化ストレス研究センターチェアプロフェッサー教授。糖化ストレス抑制対策、抗糖化食材などを研究。500種類以上の食材の抗糖化作用を測定。アンチエイジングや疾病予防としての抗糖化に関する普及啓発活動などを行っている。

(取材・文 武田京子、写真 TOMOMI、料理・スタイリング タカハシユキ、グラフ作成 増田真一、栄養計算 内山由香=食のスタジオ、デザイン Permanent Yellow Orange、構成 堀田恵美)

[日経ヘルス 2019年8月号の記事を再構成]

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