「この両者をつなぐスタンドオフがサプライチェーン(供給網)を担う部隊です。僕はここの責任者にマーケティングの経験が長い人をあてました。マーケティングと生産がわかっている人がサプライチェーンを見れば、最適な回し方が見えるのではないかと考えたのです」

――どうやってラグビーのようなチームの連携を引き出しましたか。

「バラバラだった各部署の責任者が必ず週1回、ガチャガチャ言い合う会を作りました。その名も『変化対応会議』です。オーナー社長だった時代はオーナーにそれぞれが報告してオーナーが決定すればよかっただろうけれど、僕はサラリーマン社長だからそれは許さない。『絶対に責任者同士で話し合って方向性を決めてほしい』と話しました。『変えるべきことが見えてきたら、すぐに変えてくれ。なんなら朝令朝改でいい』と。朝令暮改じゃないですよ」

会議では発言しない

「会議では責任者同士に話をさせたいから、僕はほとんど発言しないようにしています。最初は様子見でしたね。でも今は議論が白熱します。ようやく連携プレーができてきた。まさに組織のフラット化。ワン・フォー・オールです。『スーパーにはこんな提案をしよう』とか、『こんな仕掛けをしたいからこの商品を増産してほしい』とか。そんな話を部署同士でできるようになりました」

「マーケターがマネジメントできるのが1番いいと思っています。マーケターはお客さんに1番近い存在だからです」

――キリンビール、キリンビバレッジでマーケターとして活躍した後、キリンビバレッジでは社長を務めました。マーケターが経営者になる利点はありますか。

「僕はマーケターがマネジメントできるのが1番いいと思っています。マーケターはお客さんに1番近い存在だからです」

いろんなお客さんをとことん見てきた

「僕は97年に自ら希望してキリンから、ソフトドリンクを手がけるキリンビバレッジへ出向しました。そこで商品開発を担当し、後に社長になりました。アルコール飲料と違って顧客層が幅広いソフトドリンクの世界を担当して、いろんなお客さんをとことん見てきたことが今でも生きています」

「キリンビバレッジ時代には年220日、1日に5~6時間ほど、消費者の座談会や定量調査をしていました。飲料の調査ではありますが、その人が日常的に使っているものや食べているものも尋ねました。それを30年やってきたので、『こういう人はこう答えるだろうな』というのがかなりわかります」

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