「食たんもみじ」の「つけそば」

食たん(じきたん・たんは火に段)もみじ

<埼玉郊外にS級新店!「つけそば」の味わいはオンリーワン>

東京都心から、車を走らせること約1時間。東京近郊とは思えないほど牧歌的な田園風景が広がる埼玉県久喜市に今年6月、1軒の新店が誕生した。

それが「食たんもみじ」だ。

店名である「もみじ」は店主の名字(紅葉)から採ったもの。紅葉店主は都内を代表する人気店の一つである「麺屋武蔵」グループにて14年間修業し、満を持して独立。

「個人的には、昔からアッサリした清湯ラーメンが好きでして。私の地元は北海道なんですが、ラーメン職人になろうと考えた際、勉強できるラーメンの種類が豊富なエリアの方が良いのではと思い、首都圏に出てきたんです」。

店名の「もみじ」は店主の名字からとった

同店が提供するのは、「中華そば」「塩そば」「つけそば」の3種類。いずれも甲乙つけがたい出来栄えを誇るが、特におススメしたいのが「つけそば」だ。

かみ締める度に小麦の芳香が鼻腔(びこう)をくすぐる麺は「自店を構える際に、既製の麺を使うことは全く考えていませんでした」と自家製を採用。全粒粉をフル活用することで、ほど良いあんばいの「和っぽさ」を演出するギミックに、店主が培った経験の豊かさがほの見える。

この麺とコラボを組ませるスープはタレに由来する酸味と塩味を思い切って前面へと押し出した、ラーメンマニアであってもかなりのレア感を抱かされる構成。

タレと合わせて煮干し、昆布などの魚介素材を駆使し、一口食べただけで、スープのうま味の質の良さを食べ手に明示する方向性も、ラーメンという食べ物を熟知している者の所業だ。

それ以外にも、麺に「のりで創られただし」を注ぎ、風味付けを施すなど、着想、ギミック、うま味の内容に至るまで、紅葉店主の「イズム」が感じられる1杯。

その存在は凡百の新店とは明確に一線を画している。

北関東エリアなどへ行楽に向かう道すがら、おなかを満たすための1軒として「もみじ」をチョイスするのも、個人的には超おススメの選択肢だ。

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