「中華そばひしお-醤-」の「熟成中華そば」

中華そばひしお-醤-

<激戦区・つくばに誕生した超大型新人。驚異的な完成度の高さ>

気候が穏やかになると、山歩きや登山が盛んに行われるようになる。東京近郊に住居を構える人たちにとって身近な山と言えば、筑波山&高尾山。

気温が下がり、涼風がそよぎ始めるこの時期以降は筑波山ろくに位置するつくばエリアのラーメン店が活況を呈するのが常である。

そんなつくばの地に、今年6月にオープンした新店が「中華そばひしお-醤-」だ。

レギュラーメニューとして提供される「熟成中華そば」と「ぬちまーす塩そば」は激戦区つくばのそうそうたるラーメン店舗群も真っ青になるほどの完成度の高さを誇示。

加えて、オープンから4カ月余りしか経過していないにもかかわらず、矢継ぎ早に限定ラーメンを繰り出す怒濤(どとう)の展開に、早くも、県内外のラーメン好きから話題の的となっている。

筑波山登山の時に立ち寄るのもオススメの「-醤-」

ラーメン好きの好奇心をそそるメニューの充実ぶりに関しては、今年オープンした全国の新店の中でも1、2を争う同店。初訪問時であっても目移りすること必至だが、まずは「熟成中華そば」を召し上がっていただきたい。

味蕾(みらい)に染み入るような鶏の滋養味がスープの隅々にまであまねく行き渡っている。

エッジが利いた個性的なしょうゆダレのうま味、芳醇(ほうじゅん)な鶏油の香りなど、だし以外のパーツも一切の手抜きなし。まさに、非の打ちどころがない出来栄えだ。

丼を前にした誰しもが、ゴクゴクと喉音を立てながら、スープまで飲み干してしまうだろう。

筑波山登山に挑む前に「-醤-」でスタミナを蓄え、英気を養っておくのも、大いに「アリ!」なチョイスだ。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。