ESG投信にブームの兆し 欧米で定着も実力未知数QUICK資産運用研究所 北澤千秋

写真はイメージ=123RF
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投資信託市場でESG(環境・社会・企業統治)をテーマにした投信が増えている。世の中のESGに対する関心の高まりを反映しているようだ。先行する欧米ではESGを基準にした銘柄選びが定着し、株式の投資リターンも高くなりやすいという見方が出ている。ただし日本ではまだ日が浅く、どれくらいの投資リターンを期待できるかは未知数だ。

バランス型、債券型も登場

ESG関連投信の新規設定は2018年から目立って増え始め、名称にESGや環境・エコなどのキーワードが付く投信は18年に17本、19年も10月までに17本が設定された。投信名にはなくても、「ESGの観点から投資する」と目論見書などにうたっている投信はもっとある。国内外の株式で運用する投信が中心だが、タイプはバランス型やグローバル債券型などにも広がっている。

ESG投資とは何かをざっくり言えば、投資を通じて社会の持続可能性を高め、よりよい社会を実現しようという考え方だ。そのために環境への取り組みや社会貢献に積極的な企業、経営のダイバーシティーなどを推進する企業に投資する。10年ごろから欧州を中心に急速に広がった動きが、日本の個人投資家向け市場にも押し寄せてきたと言えるかもしれない。同種の投信としては、04~06年ごろに関心を集めたSRI(社会的責任投資)投信があるが、現在はそれも広い意味でESG関連投信に含まれるというのが大方の見方だ。

では、こうしたESG投信はどう評価したらいいのだろうか。もしも他の投信と同じようにリターンを得るのが主たる目的で買うなら、運用成績のチェックが欠かせない。ESGと銘打った投信は運用履歴が短くまだ評価できないが、運用開始から10年以上経つSRI投信のリターンを確認すると、相対的に成績がよいのは先進国株式型ではインデックス連動の野村グローバルSRI100、国内株式型では朝日ライフSRI社会貢献ファンド(愛称あすのはね)、フコクSRIファンド(しんきん)などが目立つ程度だった。

参考として先進国株式型と国内株式型について、ESG関連投信と投信分類全体の平均リターンを比べてみた。1~10年のリターンを総合すると先進国株式型ではESG投信が全体平均をやや上回っていたが、国内株式型では全体を下回っていた。