ヘッジファンドのカリスマが実践 成功を呼び込む原則『PRINCIPLES(プリンシプルズ)』

ヘッジファンドのカリスマ、ダレオ氏が獲得した人生の教訓
ヘッジファンドのカリスマ、ダレオ氏が獲得した人生の教訓

ビジネスの世界で成功するために必要なことは何だろうか――。「世界でもっとも裕福な100人のひとり」(フォーブス誌)と称賛されるアメリカ人投資家のレイ・ダリオ氏が大切にしてきたものは「頑固なまでに、何かを守り通す姿勢」だ。40年以上かけて自ら立ち上げたチームを世界最大のヘッジファンドに育て上げたカリスマが、本書『PRINCIPLES(プリンシプルズ)』を通じて人生と仕事に役立った「原則」の数々を教えてくれた。

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若いころの自分は「傲慢で嫌な奴」

レイ・ダリオ氏

著者のレイ・ダリオ氏は1949年に生まれ、米東海岸ロングアイランド近くの中流家庭で育ちました。大学では学業に打ち込み優秀な成績を修め、ハーバード・ビジネス・スクールに進学。商品相場に関心を持ち、投資の世界へ飛び込みます。1975年に2LDKのアパートで友人と共にブリッジウォーター・アソシエイツという会社を立ち上げました。同社は今や、「米国で5番目に重要な非上場企業」と呼ばれるほどの大きなヘッジファンドに成長しています。

本書は3部構成です。最初に自信の生い立ちがつづられます。次いで、より良く生きるための「人生の原則」について語られます。最後のパートでは、豊富なビジネス経験を踏まえた「仕事の原則」を披瀝(ひれき)しています。単行本で590ページに及ぶ分厚い一冊に、本人の思いが存分に詰め込まれています。

ダリオ青年は、好奇心旺盛で、やんちゃで、若さの特権とも言える傲慢さにもあふれていました。学生時代は勉学だけでなく、恋愛に、パーティーに、旅行に青春を謳歌します。そして夢を追って起業しました。最初は米国の日用品を外国に売る事業から着手します。社名に「ブリッジウォーター」(架け橋)の意味を込めました

滑り出しの直後こそ業績は順調で、社員もそこそこ増えていきました。しかし、投資の失敗でまもなく「どん底の日々」に直面することになります。1982年のメキシコ危機では、大きな打撃を受けました。ダレオ氏は自分の思い上がりを次のように振り返ります。

この時期は、野球のバットで何度も頭を殴られたような経験をした。完璧に間違った、しかも公衆の面前で間違ったことは、信じがたいほど屈辱的な思いであり、私はブリッジウォーターで築いてきたすべてを失ってしまった。私は,完璧に間違った見方を自信たっぷりにひけらかす、傲慢で嫌な奴だったと思う。
(CHAPTER 3 どん底の日々 51ページ)
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