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画像はイメージ =PIXTA

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あり得ないようなトラブルを巻き起こす「モンスター部下」が最近増えているという。相談をよく受ける社会保険労務士の石川弘子氏は、その実態と対処法を近著「モンスター部下」(日経プレミアシリーズ)にまとめた。石川氏が相談を受けたモンスター部下の実態を同書から紹介する。

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R社団法人 概要
とある業界団体で、設立35年目を迎える。理事、職員の数は15名ほどで、のんびりとした職場なので人の入れ替わりもあまりない。
 
登場人物
M原:元地方公務員で、経営コンサルタントとして独立開業したが、上手くいかず、R社団法人に6年前に入職。40代独身の男性。仕事ができず、やる気もない。
S井:R社団法人入職15年目の40代男性。仕事熱心で、正義感が強い。M原のいい加減な仕事ぶりに辟易している。
K田:R社団法人常務理事の60代男性。事なかれ主義で、面倒なことからは逃げたり、部下に押し付ける傾向がある。
A山:50代女性ベテラン事務パート職員。R社団法人内の経理・総務業務を担当している。

前年に比べて住民税が不自然に安すぎる……?

「K田さん、M原さんの住民税が去年に比べてかなり安いんですけど、何かの間違いじゃないですかね?」

パートのA山が書類を片手に常務理事のK田に声をかけた。A山いわく、自分より年収が3倍以上多いはずのM原の住民税がA山と比べても、だいぶ低いという。K田が書類を見ると、確かに前年と比べてもM原の住民税額がかなり低い。A山は、もしかしたら自分が計算した年末調整の金額が間違っていたか、市役所に提出した給与支払い報告書の金額が間違っていたのでは? と思って慌てて確認したが、特に間違いはなかったとのことだった。

「税理士の先生に聞いてみたら?」とK田は他人事のように返すと、会合があると言って出かけてしまった。

A山が顧問税理士に電話で問い合わせてみると、M原が何らかの事情で確定申告をしているか、もしくは市役所の処理ミスということもあるかもしれないとのことだった。A山は隣の席のS井に相談した。S井は自分がM原に確認してみると言った。

次の日、S井がM原に聞いてみると、最初はのらりくらりと「思い当たることはない」「市役所が間違えたのでは?」と返答していたが、ついには副業をしていて確定申告をしていたと認めた。何でも経営コンサルタントとしてある会社と契約をしていて事業所得が発生しているというのだ。R社団法人では副業は就業規則で禁止されている上に、違反した場合は懲戒解雇と定めてある。本業の仕事ぶりがいい加減なM原が副業をしていたことで、S井は腹立たしく思った。「とにかく自分から常務に報告しろよ」と言って話を切り上げた。

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