我家流でAI洗濯・洗剤も最適投入 日立が新型洗濯機

日経クロストレンド

洗濯機購入の選択基準として「洗剤の自動投入機能」が重視されつつある。あらゆるものがネットにつながるIoT化も最新のトレンドだ。日立グローバルライフソリューションズの最新ドラム式洗濯乾燥機は、そうしたニーズにハイテクで対応。スマートフォン連携も取り入れ、共働き世帯や使いやすさを求めるアクティブシニアを狙う。

スマホ連携やAIなどハイテクを投入

日立グローバルライフソリューションズが2019年9月に実施した調査によると、ドラム式洗濯乾燥機の購入者の50%が、「液体洗剤、柔軟剤の自動投入」を重視すると答え、「操作のわかりやすさ」(48%)、「節水」(39%)などを抑えて購入時の重視ポイントの3位に浮上した。

日立グローバルライフソリューションズのドラム式洗濯乾燥機「ヒートリサイクル 風アイロン ビッグドラムBD-NX120E」。価格はオープンで、店頭予想価格は38万円前後(税別)

同社はそうした最新ニーズに応えつつ、進化させたドラム式洗濯乾燥機「ヒートリサイクル 風アイロン ビッグドラムBD-NX120E」を19年11月16日に発売する。ターゲットは時短や省手間、効率化を求める「共働き家族」と、体力の低下を実感し、より使いやすさを求めている「アクティブシニア」。どちらも現在、販売が伸びているユーザー層だという。スマートフォン連携や家庭内の無線LANとつながるコネクテッド機能を備え、人工知能(AI)を活用して賢く洗うなど、最新技術を惜しみなく投入したハイテク洗濯機だ。

洗剤や柔軟剤が丸々入る大容量のタンクはハンドルを付けて取り出しやすさにこだわった

まずニーズの高い「液体洗剤、柔軟剤の自動投入」では、詰め替えタイプの液体洗剤や柔軟剤が丸々1本入る大容量のタンクなどハード面が充実。持ちやすく、投入経路を使うたびに水で洗い流してくれる手入れのしやすさなど、使いやすさにも配慮している。

スマートフォン専用アプリで液体洗剤の銘柄やタイプを選んでおくと、洗濯物の量や希望する仕上がりなどに応じて適量を自動投入する機能も搭載。洗剤を量る手間を省き、洗濯機をうまく使いこなせない人でもベストな洗い上がりを実現できるという。

発表会では洗剤の自動投入をさらに進化させた、「洗剤、柔軟剤自動再注文システム」も公開された。これはタンクに入れた液体洗剤や柔軟剤の残量が少なくなると、洗濯機がアマゾンの機能を使って自動的に再注文してくれるもの。「洗濯機のIoT化」で洗剤切れのうっかりを防止する。今後最終的な仕様を固め、19年12月にサービスを開始する予定だ。

「9項目」をセンシングしてAIが判断

これら進化した洗剤の自動投入を支えるのは、「AIお洗濯」という機能だ。洗濯のたびに洗い、すすぎ、脱水の工程を、「水硬度」「水温」から「布質」「布量」「汚れの量」「脱水具合」まで9項目をセンシングする。例えば洗浄力がアップする水温の高さを検知した場合は洗剤の量を減らす。また、汚れがひどいと電流が流れやすくなる性質を利用して洗濯物の汚れのレベルを検知し、ひどい汚れの場合は洗い時間を最大10分延長する。こうした洗濯にまつわるさまざまな状況に対応した「賢い洗濯」を実現する。

洗剤の銘柄指定や洗濯機のリモートコントロール、洗濯の仕上がりの評価などは、手元のスマホアプリで行う

ユーザーと洗濯機の「仲」は、スマホ専用アプリが取り持つ。新開発のアプリ「洗濯コンシェルジュ」では、使用中の洗剤や柔軟剤の銘柄を市販品のリストから簡単に選べる他、帰宅時間に乾燥が仕上がるようにリモートで運転開始時間を設定できる。さらに「布の劣化が目立つ」「絞りが足りない」など前回の洗い上がりに対するユーザーの評価を洗濯機が学習し、好みの仕上がりに近づけていく「わがや流AI」というコースも用意した。

アプリで設定できる機能は、今後どんどん追加される予定だ。例えば「洗えるスーツコース」「黄ばみ除去コース」など、新たなコースをアプリでダウンロードして増やせるようになる。

シャツ1枚5分で終わる「スチームアイロンコース」にかけたシャツ(写真右)は、かける前のシャツ(同左)よりシワが軽減。消臭効果もある

この他、高速風でシワを伸ばして乾燥し、アイロンがけの手間を軽減する「風アイロン」では、「おいそぎコース」が進化。大容量ドラムの強みを生かして、衣類を効率よく乾燥する。例えば6キログラムの衣類なら、洗濯から乾燥まで約95分で終了する。

乾燥機能には、ドラム内にスチームを発生させてシワを伸ばす「スチームアイロンコース」を用意。シャツ1枚なら約5分で完了するため、忙しい朝や出かける前の衣類のシワ取り、消臭に活躍するという。

日立は今回のような白物家電で「高い価値を加え、高い価格で買ってもらうプレミアム戦略」をさらに進める考えだ。

(文・写真 福光恵)

[日経クロストレンド 2019年10月23日の記事を再構成]