2019/11/13

面接道場

芸人が自分から笑顔をつくる合理的な理由

中北 内容以外に、表情についても、2つフィードバックがあります。まずは自分から笑顔で話すこと。芸人さんは自分からよく笑います。相手に笑ってもらいたいからです。そのためにそういう空気感を演出しているんです。

笑いをとる、まではいかなくとも、和やかな雰囲気にしたければ自分がまず笑顔になるというのは、シンプルですが大事なテクニックです。

2つ目は、何か自分にとって都合の悪い情報やフィードバックを受けたときの表情。今まさに私からフィードバックした際に、ちょっと受け入れられないような表情をされていますよね。仕事ではフィードバックを受けながら成長していきます。そのフィードバックが受け入れられないと、入社しても成長しにくい人だと見られてしまい、非常に損です。

同好会を立ち上げて、オーケストラにも入って、しかも友人を巻き込みたくなるという、せっかくのエピソードが全部流れてしまっているから、改めてこの自己紹介はどういう印象をつけたいのかという目的をセットして、情報を整理した方がいいですね。持っているエピソードは一個一個強そうだから、非常にもったいない。

エピソード自体は、デベロッパーではおそらく重要な観点だと思います。詳しくは聞いてみないとわかりませんが、役所の人を巻き込んだりしたのって、普通はあまり経験できることじゃないですよね。そういう経験とか、真面目に取り組んだ姿勢っていうのは、ちゃんと言えば伝わるはずなのに、見せ方で損していると思います。しかも話し方で、プライドの高さだけが目に付いてしまう。

お笑い芸人も営業マンもトーク台本を全部覚える

中北 準備はしてきましたか?

A 全然できていなかったので……。緊張もして、うまく伝えられなかったです。

中北 「緊張する」と言いますが、緊張はした方がいいですよ。緊張しないとパフォーマンスは絶対下がりますから。緊張しないようにしたいという相談はすごく多いんですけど、それはやめた方がいいとアドバイスしています。

保険会社の営業マンの知り合いで、営業成績1位になった方がいるのですが、その人は営業トークを全部台本にして記憶するんですよ。記憶して、さらに鏡を見ながら練習する。だいたい考えるときって上向くじゃないですか。上を向いてしまったところは自分の中でインプットされてないところなので、そこをもう一回徹底的に練り直したりするんです。お笑い芸人もネタを記憶して自分たちがネタを披露している姿を映像で撮って、何度もやり直します。Aさんも内容を整理したうえで、きちんと練習すれば、必ず面接官の目に留まるようになると思いますよ。

(文・構成 安田亜紀代)

中北朋宏
浅井企画に所属し、お笑い芸人として6年間活動。トリオを解散後、人事系コンサルティング会社に入社し、内定者育成から管理職育成まで幅広くソリューション企画提案に携わる。その後、インバウンド系事業のスタートアップにて人事責任者となり、制度設計や採用などを担当。2018年に人材研修コンサルティングなどを手掛ける株式会社 俺を設立し、社長就任。

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