大学・専門学校の無償化 低所得世帯に減免や奨学金教育無償化、どんな制度?(下)

幸子 是枝さんは「授業料は国公立大ならほぼカバーできるけど、私立大は6~7割にとどまる」と言っていたわ。文科省の調査では、同じ私立でも文科系学部の授業料は70万円台なのでかなり補えるけど、理科系は100万円を超えるので、これでは足りないわ。生活費を賄う目的の給付型奨学金も十分とはいえない。足りない分は貸与型の奨学金などを利用することになりそうね。

 中にはアルバイトに励む学生もいそうだね。

幸子 対象者は家計の状況に加え、学業成績も毎年チェックされるの。留年したり、取得単位が足りなかったりすると支給が打ち切られるだけでなく、返還を求められることもあるので注意しなきゃね。「入学後も気を抜かず、よい成績を残してきちんと卒業する必要がある」とファイナンシャルプランナーの新美昌也さんは忠告していたわ。

良男 申し込みなどのスケジュールはどうなってるの。

幸子 初年度の20年度分は、給付型奨学金の予約採用の申し込みは終了して年末までに採用候補者が決まる見通しよ。授業料減免は来年4月以降に進学先で手続きをする。すでに進学した人の在学採用は11月中に申請するの。初年度は予約採用の時期が後にずれたけど、21年度からは5~7月に申請し10月ぐらいに候補者が決まる通常の日程に戻ると見られているわ。しっかり確認しておきたいわね。

■入学金、準備必要な場面も
ファイナンシャルプランナー 新美昌也さん
無償化と聞くとお金を準備しなくてよいと考えがちですが、そうではありません。入学金や授業料の一部を入学前に払い、後で減免相当額を還付する大学もあるからです。行きたい大学が納付を猶予してくれるか確認は欠かせません。推薦など一部の入試ではかなり早く合格が決まり、入学金などの納付も求められることがあります。その場合も事前に資金を手当てしておく必要があります。資金準備に不安があれば、国の教育ローンなどに申し込み、借りられる状況をつくっておきましょう。
進学後の生活費などは給付型の奨学金で賄うことになりますが、足りなければ貸与型の併用が考えられます。その際は無利子の貸与型の利用が制限され、有利子しか借りられない場合もあります。将来の返還のことを十分考えることが大切です。(聞き手は土井誠司)

[日本経済新聞夕刊2019年10月30日付]

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