TikTok、1位は中学1年生 リップシンク系が人気タレント「SNSパワー」ランキング 2019

日経エンタテインメント!

YouTubeに続く、インフルエンサー誕生の場として注目を集めるサービスがある。短尺動画に特化したSNSのTikTokだ。スマホなどで撮影した15秒の動画に、アプリ内にある膨大なBGMの中から好きなものを付けて投稿、シェアできるというもの。2017年8月の日本でのリリースから約2年で、月間アクティブ利用者数は950万人(19年2月時点)と急成長している。

2019年8月19日時点。出典:ユーザーローカル( http://tiktok-ranking.userlocal.jp/)

TikTokのフォロワー数1位は、276万人のHinata。なんと彼女は現在中学1年生という若さだ。ヒット曲に合わせて口パクをしながら踊る、リップシンク動画を中心に投稿し、支持を集めている。TikTokのマーケティングディレクター白地祐輝氏によると、「TikTokの場合、最初の1、2秒で、その後も続けて見るかが決まるため、つかみが何より大切。Hinataさんはそれが特にうまい。しかもただ単にかわいいだけでなく、その合間に変顔も挟む。そのギャップが人気の理由だと思います」。リップシンク系では、3位のねお、4位のはやたく、5位のゆなも人気を集める。

2位は柴犬コマリの265万人。表情豊かな柴犬コマリの様子を、軽快な音楽に乗せた動画だ。このような他のSNSでも注目度の高いペット系など、リップシンク以外のジャンルのTikTokerも急成長している。「Vログ」と呼ばれる、“映像(ビデオ)”で残す“ブログ”のような使い方も増加中。ランキング外だが、奥さんとの日々の生活を笑いも織り交ぜながら紹介する、妻が綺麗過ぎる。は、スタートからわずか4カ月で74万人のフォロワーをつけた。

YouTubeと比較して特徴的なのは、女性クリエイターの活躍が目立つこと。トップ20のうち半数以上を女性が占めている。TikTokのユーザーの約3割が10代と20代の女性というデータも出ており(App Ape Lab.調べ)、彼女たちの共感を集めやすい同性が上位に入っているようだ。

1本の動画でスターにも

実は、YouTuberの多くがTikTokも利用しているが、例えば、HIKAKINのフォロワー数は80万人程度で、全体で24位とツイッターほどではない。なぜなのだろうか。それはTikTokが、YouTubeやインスタグラムとは、タイムラインの表示方法が異なることが大きいと白地氏は分析する。「YouTubeやインスタグラムは、フォローした人の動画や写真が自分のタイムラインに流れてきます。しかしTikTokはユーザーが日々『いいね』をした動画を独自のアルゴリズムで分析し、ユーザーの好みに合ったものをタイムラインにレコメンドしていく。さらにその時点で話題になっている動画から優先的に選ばれる仕組み。なので、フォロワー数が多くないTikTokerでも、1つの動画で一気に注目を集めて有名人になれる可能性があるんです」。

TikTokerのタレント化も進む。Hinataは渡辺直美と一緒にタカラトミーのCMに出演。ねおは先日、ワーナーミュージックからアーティストとしてデビューすることを発表した。

2019年8月19日時点。出典:ユーザーローカル( http://tiktok-ranking.userlocal.jp/)

また、TikTok発のクリエイターも活躍し始めている。というのも、TikTokではユーザーが自ら作った楽曲を登録すると、他のユーザーも使えようになる。つまり曲さえ良ければ、有名曲でなくとも、他のユーザーの動画に使われ、爆発的な再生回数となることもあるのだ。フォロワー数125万人の「こたつ」(6位)が作った音源「全力○○シリーズ」がいい例だ。軽快なメロディーとリズムに合わせて「全力笑顔」「全力キメ顔」「全力真顔」とナレーションが流れていくのだが、誰でも簡単にまねできることから、TikTok内で一大ブームとなった。

その「こたつ」は、サントリーの「デカビタC」のCMソングを担当。圏外だが、ワタルはボルボの「カラダ点検チャレンジ」キャンペーンのCM音源を制作している。「TikTokは音楽に紐付いたプラットフォームなので、CMの楽曲制作の依頼を受けるなど、クリエイターとしての才能を評価される場にもなっている。人生が180度変わるような人が多く生まれてきています」(白地氏)。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2019年10月号の記事を再構成]

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