西川ダウン 羽毛スペシャリストの技、価格設定も魅力
数ある衣装や小物の中から、その場にふさわしいアイテムを選び抜き、コーディネートを考えるのがスタイリストの仕事だ。そんな「目利き」が旬のファッションアイテムに焦点をあて、魅力を紹介する「旬アイテム」。スタイリスト、小林新氏が今回、取り上げるのは西川ダウンだ。その品質と価格が何よりの魅力と太鼓判を押す。
寝具老舗とセレクトショップがコラボ
西川ダウンとは羽毛布団などを手掛ける1566年創業の寝具メーカー「西川」と、国内各地に店舗を持つセレクトショップ「ナノ・ユニバース」がコラボして生まれたダウンウエアだ。その特長は、羽毛のスペシャリストの知恵と技術を駆使して作り上げた、ふとんにくるまれたような着心地といっていいだろう。
その西川ダウンで、ビジネスシーンにおすすめなのが、ミドル丈のダウンコート(商品名はウールフーデッドダウン)。ダウンウエアの場合、とかく表面のナイロン生地のつや感が目につくが、このダウンコートは違う。一見すると、チェスターコートと見分けがつかないほどのソフトな風合いで、ビジネスシーンで着用しても何ら問題はない。
飼育期間が長い分、体格も大きく、かさ高に富むフレンチダウン(ダック)の高品質な羽毛を使用している。パンパンではなく、適度なころ合いのふくらみで、着ていて軽く、ほんわかと暖かくなってくる。
コートの前にはボタンが付き、デザインはコンサバ風だが、内側にあるスピンドルでウエストをきゅっと絞れば、「よりシャープなシルエットになる」。両サイドに入るキルティングも着る人を美しく見せる上で一役買っている。
4万円ちょっとのお値段
ヘルノやマッキントッシュといった海外ブランドにも、似たタイプのダウンコートがあるが、必ずしも誰しもがすっと買えるシロモノではないだろう。その点、西川ダウンはファスナー脱着式フードも付いて、4万円ちょっとのお値段。お手ごろ価格でありながら、決して安っぽくは見えない。飛ぶように売れているワケは、実によくできているアイテムだからに他ならない。
一方、オフにおすすめなのは短い丈のダウンジャケット(商品名はウールG2ジャケット)だ。国産の上質なウールに加工を施し、微光沢のある生地仕立てになっている。裏地にはエンボスプリントでブランドロゴがあしらってある。
つやなしのダブルジッパーに長めの引き手や両サイドに付くポケットが両開き仕様というのもしゃれている。使用する羽毛はダウンコートと同じくフレンチダウンでこちらも4万円台と実にお手ごろ価格になっている。色味はコートがブラウン、ネイビー、ブラック、ジャケットはグレー、ネイビー、ブラックの3色だ。
ファッションの世界では近年、男女の垣根を越えて、急速にユニセックスが進んでいる。今回取り上げた2つのアイテムも、女性が着て全く問題ない。まさに大人の雰囲気をまとえるダウンウエアで、どんなコーディネートでも合わせやすい1着になっている。
2002年設立のナノ・ユニバースは首都圏や名古屋、大阪などに店舗を持つほか、アウトレット内にも出店。公式通販サイトもある。
※商品の価格は税込み
問い合わせはナノ・ユニバース カスタマーサービス(0120・705・088)
大学卒業後、2006年に独立。雑誌や音楽、広告分野などを中心に活動。服にとどまらず、その周辺にある美術などもスタイリングの一環と考え、独自の視点を持つスタイリストとして定評がある。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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