野良仕事で得た宝 野菜で失敗、実は成功の「種まき」

ここ栃木県那須高原に移住してきて丸21年になる。野良仕事の楽しみを励みに、震災と、いくつもの台風をくぐりぬけてきた。いつも土にふれると、明日もなんとかやっていけるという気になれる。だから野良仕事は私にとっては農楽仕事(のらしごと)だ。

今は収穫の季節。最近の記録的な大雨と強風が吹き荒れた台風を、運良く倉庫の陰でやり過ごした稲たちを、稲刈り機が遅れをとり戻すかのようにザッザと刈り取っていく。このコメたちは巡り巡って私の口にも入るだろうか。新米への期待がいやが上にもふくらんでいく音だ。

収穫の季節は、冬野菜が根づく時でもある。うちの庭の畑では、これから食卓の主役になる鍋料理用の白菜がすくすく育っている……はずだったのだが。あの台風で葉っぱがちぎれてしまい、なんとも哀れな姿となってしまった。まだ柔らかい若い葉には、あの強風は酷だった。植えたとたんに台風が発生して、あれよあれよというまにここまで来た。後から、もう少し植えるのが早かったら、あるいは遅ければよかったと考えても相手は天気だ。しょうがない。あきらめるしかない。

ちょっとでも残っているものはそのままにしておいて、畝(うね)がぽっかり空いてしまったところだけ苗を植え直すことにした。他にはカブ、ダイコン。

秋植えの野菜は低温の中、ゆっくり育っていく。答えを急いではいけない。はじめは失敗のように思えても、結果はかえって良かったなんてこともあるのだから。あとは植物の生命力を信じて待つのみだ。

それを不安と感じる人もいるし、苦労と感じてしまい、せっかく続けてきた家庭菜園をやめてしまう人もいる。講演に行った時にもよくそういう相談をうける。

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