決断と責任を生む「教えてよ」 異なる意見を否定せず京都精華大学 学長 ウスビ・サコ氏(上)

京都精華大のウスビ・サコ学長
京都精華大のウスビ・サコ学長

マンガ学部やポピュラーカルチャー学部を設置し、国内外からアニメやマンガ好きの学生が集まる京都精華大学(京都市)。創立50周年の2018年4月、西アフリカのマリ出身の学長が誕生した。ウスビ・サコ氏。リーダーとしての持論は「知らないことは『教えて』といつも言える人間であること」という。その原点は、成績がクラスで下から3番目になってしまった高校時代にあった。

◇  ◇  ◇

――国内の大学初のアフリカ系学長だそうですね。

「初のアフリカ系という点が注目されて、世間ですごい大学だと言われているのですが、精華大の中ではそこは重要ではないんです。私の肌の色を理由に看板として学長にしたわけではなく、教職員による投票で選ばれました。非常に民主的で、多様性を重んじる学校なのです」

――リーダーとして心がけていることは何ですか。

「常に周りから学べる姿勢を持つことが一番です。そうでなければ、自分が勉強できる機会を逃してしまいます。学長になった今も、周りから謙虚に学べる姿勢、知らないことは『教えてよ』と言えることが大事だと思っています」

常にフラットな自分でいたい

「そのためには、人と話をするときに常にフラットな自分でいたい。人との付き合いの中で、私は絶対に自分の知識を羅列しません。特に学長みたいな立場についた人が知っていることをひけらかしてしまうと、付き合いにくいでしょ。そうではなくて、学生に対しても『これ何? ちょっと教えてよ』といつでも言えるのが大事だと思っています。申し訳ないけれど、マリの大統領と話すときでも学生と会っているときと同じ姿勢です」

――なぜリーダーこそ人の話を聞くことが大事なのでしょうか。

「リーダーが最終的に求められるのは決断力と責任ですよね。決断するために必要なのは判断力。判断する際には、周りの人を信頼して話を聞ける力が必要です。だから、いつでもフラットに相手に『教えて』と言えるリーダーでいたいと思うのです」

――マリでは中学の成績優秀者だけが入れる高校で学び、大学は政府の派遣で中国に留学しました。いわゆるエリートですが、どのような機会に「フラットな自分が大事」と気づいたのですか。

「高校時代だと思います。私が学んだ高校は、卒業生がみんなマリで高い地位につくような学校ですが、私は決してエリートとして育ったわけではありません」

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
出世ナビ記事アーカイブ一覧