小林氏は、リード創出を狙って3カ月ごとに開いているイベント「TREASURE DATA “PLAZMA”(トレジャーデータプラズマ)」について解説した。参加者は約700人で、パートナー企業との共催イベントの形をとっている。「参加者と登壇者、両方の満足度を上げなければならないことが大変だ」と話した。商談化の場面をなるべくたくさん創出することが求められるので、休憩時間の設定にまで気を使うと指摘した。

ファンを育てる場としての可能性

ファンを育てる場としてのイベントの可能性を討論した

パネルディスカッション2部では、ディー・エヌ・エー(DeNA)とSOMPOホールディングス(HD)が共同出資する個人間カーシェアのDeNA SOMPO Mobility(東京・渋谷)の宮本昌尚事業本部マーケティング部長と、あらゆるものがネットにつながる「IoT」向け通信サービスを手掛けるKDDI傘下のソラコム(東京・世田谷)の伊佐政隆ビジネスプロダクトマネージャーが、アジャイルメディア・ネットワークのアンバサダー、徳力基彦氏の司会によって「ファンを育てる ユーザーと深い関係を築くイベントの可能性」をテーマに取り組みを紹介した。

DeNA SOMPO Mobilityはスマホアプリで、マイカーを面識のない他人とシェアする「Anyca(エニカ)」を展開する。8000台の登録があるが、なじみがないサービスであるため「マイカーをシェアする文化を創る」ことをめざしてファンとの交流イベントを開催している。こうした取り組みの結果、登録会員の3分の1が友人からの紹介という。

宮本氏は「個人間カーシェアはレンタカーの代替ではなく、人と人とのつながりができる新たな体験だと理解してもらうことが狙い」と話す。イベントの効果評価には、1人の顧客が、生涯で1つの会社に使う総額「LTV(ライフ・タイム・バリュー=顧客生涯価値)」などのほかにメディア露出も含めているという。

ソラコムは、同社のIoTプラットフォームのファンユーザーとなる技術者を育成するためにイベントを開催している。IoTの導入効果は事例紹介などで知られるようになったが、導入には幅広い知識が必要になり技術的なハードルは依然として高い。このため、同社では自社サービスに関するイベント開催や、技術者の有志による勉強会の支援などを積極的に行っているという。

伊佐氏は開催するイベントを「ユーザーが学び、成長するとともに、ユーザーによって顧客企業の技術が成長する場と位置づけている」と説明。大きなイベントでは、ソラコムの技術者も参加して、ユーザーとコミュニケーションをとるようにしているという。また、「意思決定者となるユーザーの上司も巻き込んで参加してもらえるようにイベントの1社あたりの参加人数制限を撤廃した」と語った。

イベント当日のデータを即活用

最後のセッション「データとテクノロジーが支えるイベントの裏舞台」では、イベントレジストと日経が、イベントによるマーケティングを行う上でのポイントを語った。

日経の大塚栄一デジタル事業メディアビジネスユニット長は主催した大型イベントを例に挙げ、明確な目的に沿って登壇者や会場、演出などを決定したことがイベント成功につながったと説明、イベントでの目的設計の重要性を指摘した。

イベントレジストの執行役員で最高業務執行責任者(COO)を務める小笹文氏は「イベント後のナーチャリング(見込み客の顧客化)に向けて、取得するデータの設定や、申込時やイベント当日にデータを取得のためのシステムなどをしっかり準備することが不可欠」と話した。

商品企画・プロモーション・マーケティング基礎講座/日経ビジネススクール

マーケティングの基礎を学ぶ講座から、企画・戦略の立案に役立つ実践講座まで!

>> 講座一覧はこちら

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら