プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

このようなとき、当然のようにクロークを探し、荷物を預け、身軽な体でパーティー会場に入るのが、できるビジネスパーソンです。ホテル等ちゃんとした会場なら必ずクロークはあります。無い場合でも、大きな荷物を置く場所くらいはパーティー主催者が用意しているはずです。パーティーなどの場面では、大きな荷物は預けることを想定して、貴重品や名刺入れなどの必要なものをすぐに取り出し携行できるようにしておくのがスマートです。

そのテーブルはあなた専用ではありません

「非常識」と言えば、海外などでパーティー慣れしている方が日本でのパーティーでよく驚くのは、何人かのグループがテーブルを陣取って「プライベート宴会」をしている様子です。また、そこに集う人のために、そのグループの1人が料理をお皿に山盛りにして供給している様子です。これは傍から見ると、かなりおかしな振る舞いです。

海外などでパーティー慣れしている人が日本でのパーティーでよく驚くのは、何人かのグループがテーブルを陣取って「プライベート宴会」をしていること=PIXTA

ビュッフェ形式の場合、「ビュッフェボード」と呼ばれるお料理を盛った大きなテーブルがあり、その周りに「アイランドテーブル」と呼ばれる小テーブルがあります。この小テーブルは、しばしお皿を置いたり、お料理を食べている間ちょっと飲み物を置いたりするために置かれています。共有するものであり、早い者勝ちで占拠するものではありません。

また、通常パーティーなどでのビュッフェは新しいお皿が何枚も使えるようにしてあります。そして食べ終わったあとのお皿はすぐに片づけられます。これは、誰かの食べた後のお皿が他の人の目に入らないように、という配慮であり、会場を美しく保とうという工夫です。

他人の食べた後というのは、あまり見たくないものですし、それが散らばっているさまは会場の雰囲気を壊してしまいます。ですから、礼儀正しい人は、自分がすぐに食べられる適量をお皿に盛り、食べ終わったあとは、皿を下げて回っている人に合図をしたりするのです。

しかし、前述の「グループ宴会」では、お皿に大盛りにされた料理を皆でつつき合う光景がよく見られます。そして、食べかけの料理がずっと残っていることになります。これは主催者から見ても、ビュッフェ提供をする会場側から見ても、周囲の人から見ても、うれしくないことです。はっきり言ってマナー違反、とわかるでしょう。

パーティーを「食事の場」とだけ考えると、仲間同士で食べよう、という行動になるのかもしれません。しかし、活躍するエグゼクティブを見ていると、パーティーの目的は「食べる」ことではなく「話す・出会う」ことだとしていることがわかります。お料理を取っても、会話の合間に口をつける程度ですし、お皿に取る量も、ほんの数分で食べられるくらいです。それよりは色々な人と話していることが多いのです。

料理が欲しければ、話の合間にまた何度でも取りに行けばよいのです。エグゼクティブでも誰でも、スマートに振る舞う人は、少量をお皿に彩りよく盛ります。そして、飲み物片手にテーブルに立ち寄ると、知り合いとそこで談笑したり、たまたま一緒になった人に話しかけて会話を楽しんだりします。その間、他の人もテーブルを使えるように気を使います。

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