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齊藤工と北村一輝 日本ならではのホラーで世界に挑む

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NIKKEI STYLE

『ゲーム・オブ・スローンズ』で知られる米ケーブルテレビ局HBOがアジアで展開するHBOアジア製作のオリジナルホラーアンソロジーシリーズ『フォークロア』が、各国で話題を呼んでいる。インドネシア、日本、韓国、マレーシア、シンガポール、タイの6つの国の監督が、それぞれの国の伝承(=フォークロア)をテーマにホラードラマを競作。日本からは、俳優・映画監督として活躍する齊藤工が監督として参加。北村一輝を主演に迎え、畳を題材に日本ならではの恐怖を描いた。

『フォークロア』の製作総指揮を務めるのはシンガポールの大物製作者エリック・クー。彼が齊藤の長編監督デビュー作『blank13』を見て、日本代表として抜てきが決まった。齊藤が発案した物語のタイトルは『TATAMI』。齊藤監督と主演の北村に、このプロジェクトに参加した意気込みや撮影現場でのエピソード、お互いの関係などを聞いた。

齊藤 エリックからプロジェクトの説明を聞いたとき、漠然とアイデアが浮かんだのが畳でした。畳という言葉は日本にしかなく、"TATAMI"が世界共通語です。加えて、僕自身が、畳の隙間や障子、木目や天井の染みなどに、幼少の頃から何かを感じていて、畳の中や裏の見えない部分をいろいろと想像してしまうのです。そういった思いから、畳にまつわる物語にしたいと考えました。

北村 畳という着眼点が齊藤監督らしいですね。ここを見ているのかと、センスを感じました。ホラー映画には様々なパターンがありますよね。例えば、僕はインドネシアで『KILLERS/キラーズ』という作品に出演しましたが、これは人間が人間を殺していくという怖さ。一方、今回は畳に染み付いている人の情や怨念の怖さ。日本のホラーの場合、何かが"出る"のは洋室ではなく和室が多い。なおかつ、今回のように古い日本家屋にある古びた畳は、自然と怖さを連想させてくれる。本作は空気感が怖い。

北村が演じるのはフリーのジャーナリスト。奇怪な事件の取材で廃墟を訪れた後、父の葬儀のため、久しぶりに実家に帰宅。母と再会するなかで、忘れていた自らの過去と向き合わざるを得なくなる……というストーリーだ。

齊藤 実は、撮影した建物は実際に廃墟で、ちょっといわくつきの建物なんです。よくない噂も多くありまして……。だからこそ、そんな空気感は絶対に出さなくてはいけないと必死でした。ロケーションで戦いたい、という思いが僕の中にありましたから。他国の作品と戦っているわけではないのですが、時に残酷でも映像作品は評価をきちんと受けるべきだと思っています。ハリウッド映画の興行成績を見ていると、ホラーは本当に強い。まさに、ブームでしょうね。HBOがアジアのホラーをもう一度フューチャーするという企画の流れも分かります。そう考えたときに、日本で作る強みはなんだろうと、日本独特の空気感を大切にしました。ただ、撮影のスケジュールはかなりタイトで、1日でも失敗したら難しかったという状況。プロフェッショナルが集まってくださったおかげで、どうにかなりました。

北村 確かに日程はタイトでしたが、製作費が決まっているなかでよくやったと思います。その国により撮影にとれる日数はまったく違うわけです。もっと言えば、人件費や機材の金額からして違う。日本だと4日くらいが限界。そういう状況だとピリピリとしそうな気もしますが、齊藤監督はいたって温厚。1つのものをコツコツと作っていくアーティストのようでした。さらに、俳優目線も持っているので、お芝居に関してもディスカッションして、画をチェックしながら進んでいく。スタッフに対しても、時間が限られたなかでも穏やかで的確な進行をしてくれていて演じやすい現場でした。

現場での仕事がスムーズに進んだのは、齊藤監督の中でビジュアルのイメージがはっきりしていたことも大きいだろう。クランクインする前には、どんな準備をしていたのだろうか。

齊藤 各国の伝承を題材にしたホラーというルール以外に、1時間という決まりもありました。そこで、ホラーをテーマにした1時間程度の作品として成立しているものを探してみました。その結果、ホラーではないものの、ちょうど1時間のアニメ映画『蟲師』の空気感や質感などが参考になったので、スタッフさんと共有しました。役者さんに関しては、北村さん、母親役の神野三鈴さんが、他の仕事で本当にお忙しいなか、台本の最終段階で、徹夜で向き合ってくださった。そうした関係を築けた上で、クランクインを迎えられたのは大きかったと思います。北村さんは海外へ誰より早く行き、開拓してくださった先駆者です。その背中を見てきた人間としては、常に安堵感がありました。

齊藤と北村の付き合いは、20年以上も前にさかのぼる。齊藤が俳優として業界に入った際、北村の現場を見せてもらったところから、付き合いが始まったそうだ。以降、齊藤は自分の過去作を北村に見てもらい、意見を聞いてきたという。

齊藤 北村さんには信頼しかないです。プロデュース感覚に優れた方だと常に思っています。今回の作品も出演を快諾してくださる前から、海外にどう展開していくのかなど、さりげなく導いてくださいました。作品ファースト、クリエイティブファーストで作品をサポートしてくださる。本当のプロデューサーは、北村さんじゃないかと思ったほどです。

北村 照れるな(笑)。これは僕らの仕事に限らずですが、不完全な部分をみんなで支え合い、自分たちができることをきちんとやり、意見も言い合える。そういう現場をつくっていかなくてはいけない。それには、そういう環境をつくり出せる上の人間が必要です。映像業界でいえば、監督やプロデューサー。僕は今回、特別な何かをしたというわけではなく、思ったことを口にしたら、それをくんでくれる周りの懐の深さがあったから、かなっただけ。そういった意味でも、『TATAMI』はとても雰囲気のいい現場でした。きっと、それが映像にも反映していると思います。

HBOアジアでは『フォークロア』に続いて、新たなアンソロジーシリーズ『フードロア』を製作。アジア8カ国の気鋭監督が再び集結して、今度はアジア料理にインスパイアされた物語のシリーズを競作する。2020年に放送を予定している。齊藤はその日本代表も務める。こちらも世界での評価が楽しみだ。

(ライター 安保有希子)

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