Men's Fashion

リバーシブルにフード付き 休日も活躍、使えるコート

How to

コート百科(下)

2019.11.3

MEN'S EX

タイプ別にコートの特色や各ブランドの逸品などを3回シリーズで紹介してきた「コート百科」もいよいよ最終回。コートが欠かせないシーズン到来だが、これであなたも周囲が思わず振り向くような「コートの達人」になっているに違いない。

[ Other Type ]
■ISAIA /イザイアのマーシャル

ポロコートをベースに、袖を切羽仕様に、パッチポケットをフラップポケットにチェンジするなどイザイア流のアレンジが加えられている。なお、ヤクの毛はシワになりにくい弾力性に加え、優れた防水性も持つなど機能面も優秀だ。 42万円(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン)

[イザイア]にみる“ヤクのぬくもり”

他ではお目にかかれない希少な素材使いはナポリの名門の十八番。今シーズンはチベットや中国などの高地に生息するウシ科の動物・ヤクの毛を使ったコートをリリース。優れた保温性があるため羽織ると暖かく、長くしなやかな毛足は柔和な印象を与えるが、しっかりと光沢も持ち合わせているため、気品も滲み出る。「マーシャル」と名付けられた本作、ベースはアルスターコートをルーツとするポロコートで、大ぶりのラペルも特徴。モダンクラシックな佇まいに、ヤクが“ラグジュアリーを添えた”、そんな一着だ。

[ Chesterfield Type ]
■STILE LATINO/スティレ ラティーノのサカイ

「サカイ」と名付けられたベルテッドコートは、着こなしにニュアンスをつけられるウエストベルトをはじめ、台襟のない開襟シャツのような小ぶりのラペル、口が斜めのパッチポケットが特徴。全体的にリラックス感が漂う一着だ。キャメルの生地はビームスのみの展開。 34万円(ビームス 六本木ヒルズ)

[スティレ ラティーノ]にみる“キャメルのやさしさ”

アットリーニファミリーのDNAを継承するナポリのカリスマブランドが放つ、キャメル100%のベルテッドチェスター。なめらかな光沢やしなやかな肌触りはもちろん、多孔質繊維のキャメルは空気を豊富に含むため、保温性がありつつ非常に“軽く柔らかい”。特有のマイルドなベージュカラー、やりすぎ感のないドロップショルダー&リラックスシルエット……その柔らかい素材感とすべてがマッチしていると言えよう。ただし、肩や胸に関してはナポリ仕立てならではのフィット感があることを言い添えておきたい。

[ Other Type ]
■MONCLER/モンクレールのオージェ

4つの大きなポケットが印象的なフィールドコート。その男らしいデザインに、品の良いグレーフランネル&マーモットファーを合わせたバランス感はさすがだ。ファーは脱着も可能。左肩のロゴも、シックな黒ゆえ、ビジネスでも悪目立ちなし。 35万3000円(モンクレール ジャパン)

[モンクレール]にみる“エレガントなミリタリー”

立ち姿に“オーラ”を生む。ここまでコートを見てきて、大いに再認識させられたが、それを考えると、ここモンクレールは外せない。近年、ダウンにもコート型が増え、色によってはビジネスでも使えるため、是非狙うべき選択肢だろう。さて、本作。その素晴らしさは、ミリタリーデザインの男らしさ、フランネル素材の上品さ、そのバランス感にある。コートは“優雅”なイメージに繋がりやすい。ゆえに、品格を保ちながらいかに男らしさを加味するか、が重要なのだ。この一着がその最適例であることは間違いない。

[ Other Type ]
■ERNEST/エルネストのローデン

ベースとなっているローデンコートとは、オーストリア伝統の狩猟用コートのこと。脇下を縫い付けず肩の可動域を広げ、猟銃を構えやすくするショルダー構造や、動きやすい背中のプリーツが特徴だ。素材はナイロンが1%入ったウールツイード。 19万8000円(バインドピーアール)

[エルネスト]にみる“多彩チェックの存在感”

誰も見たことのない柄を作ろう、遊びの効いた面白いものを作ろう。そんな気概を元に2012年に誕生したパルマの奇才・エルネスト。その真骨頂は、どこも真似できない無二の色使いにある。狩猟用のコートを基にした本作でも、そのセンスを遺憾なく発揮。赤や紫、ピンク、茶といった柔らかみのある色を組み合わせた奥行きのあるチェック柄に、独特の存在感があるのはご覧の通りだ。安らかな休日にこそ、こんな“楽しい”コートを。周りと差がつくことは当然、大人の余裕まで醸し出せるとすれば、知っておいて損はない。