Men's Fashion

柔和なダブルにガウン風 サラリと羽織れる上品コート

How to

コート百科(中)

2019.11.2

MEN'S EX

街中でコート姿のビジネスマンを見かける機会が増えてきた。タイプ別の特色などを3回シリーズでお伝えしている「コート百科」。TPOにふさわしい着こなしができる達人になれるよう、前回に続き、特徴などをしっかりと抑えていこう。

[ Chesterfield Type ]
■LATORRE /ラトーレビッグシルエットコート

ゆったりしたシルエットながら巧みなパターンですっきり着こなせ、スーツにもカジュアルにも違和感なく対応。イタリア南部バーリを代表する名門テーラーブランドの、確かなトレンド咀嚼力を改めて実感できるモデルだ。 14万円(エディット ウェアハウス)

ニット6万6000円/クルチアーニ(ストラスブルゴ) チーフ2万2000円/アンドレアズ 1947(バインド ピーアール) パンツ3万6000円/エルビーエム 1911(トヨダトレーディング プレスルーム) メガネ3万1000円/モスコット(モスコット トウキョウ)

[ラトーレ]にみる“珠玉の落ち感”

メルトンタッチの柔らかな生地が、ドロップショルダーのゆったりしたシルエットに沿って綺麗に落ち、まるでマントのようなムードあるコート姿を築く。今作は’80年代に一世を風靡したイタリア発のソフトコントラクションなテーラードスタイルを、現代的に再解釈したもの。高度な技術で数々の有名ブランドのOEMを手がけてきたラトーレだけに仕立てに隙がなく、結果重厚な見た目に反して着用感は軽い。最旬のビッグシルエットに挑戦したいが、大人の審美眼を満たすものが……なんて人には最高の一着となろう。

[ Other Type ]
■HEVO/イーヴォのブリンディッジ

タイロッケンに2つボタンを装着したようなミニマルなデザインが新鮮。ベルトを留めずに着ると裾に向かって綺麗なAラインが愉しめるのもいい。生地はナイロン混で毛玉のできにくいソフトなメルトン。 9万5000円(トヨダ トレーディング プレスルーム)

[イーヴォ]にみる“2つボタンの優雅”

ダブルブレストのコートは、デザインやシルエット次第では風格が出すぎたり、武張った印象になることも多いもの。イーヴォの新作はそうした“貫禄ダブル”とは真逆のベクトルにある。一見ベーシックなデザインだが、よく見るとフロントボタンは腰ベルト上の左右2つだけ。これにより襟の大きさや優美なラインが際立ち、ラグランスリーブの丸みやたっぷりしたシルエットと相まって柔和で優しげな雰囲気を盛りあげているのだ。ちょっとした工夫だが、実に今らしいエレガンスに貢献するディテールだ。

[ Chesterfield Type ]
■CORNELIANI/コルネリアーニのIDコート

装いや気温の変化に合わせて使えるチェストプロテクター付き、とギミックに目がいきがちだが、北イタリア随一の実力派ファクトリーブランド製だけに仕立てのよさも抜群。優美な襟のロールやシェイプの利いたシルエットが男の体躯を艶っぽく彩る。 26万円(コルネリアーニ 丸の内店)

[コルネリアーニ]にみる“巧みなレイヤード”

胸元にジップで着脱可能な“チェストプロテクター”と呼ばれるインナーがセットになった唯一無二のコート。それがコルネリアーニの名作「IDコート」だ。2005年の誕生以来人気を博す同モデルだが、温度調節できるという機能面はもちろん「首元&胸元のレイヤードが洒脱」という視覚効果も大きい。しかも、本作はコートもインナーも同素材であるため、さらにシックな佇まいなのはご覧の通りだ。ウールの起毛感が際立つ、ライトグレーという色も効いており、簡単に他と差をつける着こなしを求めるなら好適だろう。