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だしがジュワ~ッ 手土産にうれしい進化系いなりずし

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手軽に食べられ、日本人に長く愛されてきたいなりずし。安価で庶民的なイメージがあるが、名店のこだわりが詰まったいなりずしは手土産や差し入れとして喜ばれ、ころんとした見た目の愛らしさからスマートフォンで撮影してSNS(交流サイト)にアップする人も増えている。話題の新店から業界人御用達の人気店まで、都内のいなりずし専門店を紹介する。

まずは、今年9月27日に日本橋にグランドオープンした「コレド室町テラス」内の「だしいなり海木(かいぼく)日本橋店」。海木は福岡・博多に本店を構える日本料理店で、「だしいなり」は料理のシメとして提供されていたもの。2011年の東日本大震災で被災し、福岡に移住した関東の人々からこのだしいなりが支持されたことがきっかけで、東京での百貨店の催事などへの出店が増え、その度に行列ができるようになった。19年9月には博多の店がだしいなり専門店としてリニューアルし、同じタイミングで関東初出店となる日本橋店も誕生した。

だしいなりの魅力は名前の通り、だしが染み込んだ軟らかい油揚げ。熊本の特産品である「南関(なんかん)揚げ」を使っている。長期保存ができるよう乾燥させてあるもので、戻す前や戻している間に破れやすい。そのため、海木では試行錯誤しながら揚げ職人と共にオリジナルの南関揚げを開発した。

油抜きをしてから特製のカツオだしでじっくり煮ふくめ、だしを絞らずに仕上げる。ここでしか味わえないだしいなりを完成させた。甘みとうま味のあるだしをたっぷり含んだだしいなりは、SNS上でも「並んででも食べる価値あり!」と絶賛されている。

だしいなりは4個入り(1200円・税別)、8個入り(2400円・税別)の2種類があり、いずれもご飯には具材は入っておらず油揚げとシンプルな酢飯のみ。「時間をおくと中のご飯がおだしを吸ってしまうので、温かいうちに召し上がってください」と、だしいなり海木女将の岡林幸子さん。まだほんのりと温かさが感じられる箱を受け取って、すぐに試食してみた。

だしは油揚げからしたたりそうなほどたっぷりとしみ込んでおり、箸で持ち上げてみると、思った以上にずしりと重い。ひと口食べると、上品なだしが驚くほどジュワ~と口の中に広がる。軟らかくふっくらとした油揚げはかむほどにうま味が増していく。いなりずしでありながらだしそのものを味わっているような感覚は極上品の風格で、庶民的ないなりずしとは一線を画している。行列に並んででも食べたい理由が分かった気がした。

施設がオープンする平日の朝10時に同店を訪れた時は、同店の前にはすでに列ができ始めていた。作り置きができないため、朝一番で作った分がなくなると、それ以降は整理券を配布し指定の時間に受け渡しをするという方法を取っている。店内にはイートインスペースも設けられているが、現在は予想以上の混雑のため、そのスペースは使っておらず、当面テークアウトのみの販売となるそうだ。

続いて紹介するのは、東銀座の歌舞伎座近くにあるいなりずし専門店「白金(ぷらちな)や」。13年に和食の食事どころ&土産物店としてオープンした。食事どころの一メニューとしてテークアウトも行っていたいなりずしが評判になり、それだけを買い求める客が増えたため、現在はテークアウトのみのいなりずし専門店として営業している。歌舞伎役者や芸能人御用達の店として、メディアでもたびたび取り上げられている有名店だ。

同店の名物となっているのは、油揚げの表面に焼き色を付けた「焼きいなり」。焼くことで香ばしい香りが立つだけでなく、油揚げの表面の油が内側に移り、中の酢飯や具材に油のうま味が染み込みやすくなるという。厨房で油揚げに焼き目を付けるときは、香ばしい香りが店内に漂う。

また、具材の味やコメの食感を引き立てるために、非常に薄い油揚げを使っているのも特徴だ。同店を運営する銀座瑞泉広報担当の八木宏之さんは「包んでいるときに油揚げが破れてしまうことも珍しくありません。それほど繊細な薄さに油揚げを袋に切り開けるところから取り組んでいます」と話す。

コメにも強いこだわりがあるという同店のいなりずし。「冷めてもおいしく、味が染み込みやすいおコメ」を目指し、「お米マイスター」の資格を持つ専門家から指導を受けて、いくつかの品種を独自にブレンドした「白金ブレンド」を開発。炊きたてのふっくらとした状態から少し寝かせ、具材と合わせる前にいったんコメを冷ますことで具材やだしのうま味をより吸収しやすいように工夫している。コメの主張が前面に出すぎず、日本人が懐かしさを感じるような素朴な味わいになっているのはそのためだ。

商品は定番人気の「山椒(さんしょ)の実」と「胡麻(ごま)」の2種類の具材が入った「連獅子(れんじし)」と、「紫蘇(しそ)」「五目(ごもく)」「生姜(しょうが)」「栗(くり)」のほか季節限定も含む6種類が入った「六歌仙姿彩(ろっかせんすがたのいろどり)」の2つ。どちらも歌舞伎の演目になぞらえて名付けられた。それぞれ8個入り(1500円・税込み)と24個入り(4500円・税込み)があり、8の倍数にしているのは「末広がりで縁起が良いから」(八木さん)とのこと。

焼きいなりは歌舞伎鑑賞の幕あいの食事として購入する客や、熱心なファンが役者の楽屋に差し入れとして配達を依頼することが多い。一口サイズなので舞台化粧を落とさずに手軽に食べることができ、焼き目をつけることで「焼くが旨(うま)い=役が上手(うま)い」というゲン担ぎの意味も込められていることから、特に歌舞伎関係者から評判がいいという。歌舞伎座で公演が始まる前や終演直後は人がひっきりなしに訪れ、何人分もまとめて購入する光景も珍しくないそうだ。

続いては六本木にある「西麻布 いなりや 呼(こ)きつね」。地下鉄の六本木駅から徒歩2分の場所にひっそりと店舗を構えているテークアウトのみのいなりずし専門店だ。南青山で評判のすし店「鮨處(すしどころ)かざま」の系列店にあたり、16年6月に西麻布から移転して現在の場所で営業している。

特徴的なのは、小ぶりな一口サイズであることと、油揚げをシャリにくるっと一周して巻き付けている独自の製法だ。いなりずしといえば油揚げが袋状になっているものが一般的だが、「コメ一粒ひと粒の味を楽しめるように、当店では油揚げに入れ込むのではなく巻き上げてお出ししています」(呼きつね女将の風間とし江さん)とのこと。

同店のいなりずしは、「かざま」店主の風間裕二さんが客へのお土産用にと考案したのが始まりだ。全国のさまざまな油揚げを使って試作し、その中で最も理想的な食感だったのが熊本名産の南関揚げ。極力水分を減らして揚げているため、だしが染み込みやすいのが特徴だが、油抜きにも非常に手間暇がかかり、扱いも難しい。

しかし、ほかにはないジューシーな食感に魅力を感じ、毎日一つひとつ手づくりで提供していたところ、常連客を中心に人気商品に。そこからいなりずしのみを提供する「呼きつね」が誕生した。

メニューは定番の「金胡麻」「胡桃(くるみ)」や、通年で提供している「焼海苔(やきのり)」「明太子」、ほかに季節によって異なる具材が登場する。「すし店の作るいなりずしということで、食材も品質の良いものにこだわり、お揚げとのバランスも考えて具材を開発しています」と風間さん。

取材時は季節の具材として「牛しぐれ」「栗」というラインアップだったが、食材は和風に限らず、過去にはチーズやレーズンバター、レモンジュレなど、多彩な味に挑戦。シャリはどんな食材にも合うよう酢を控えめにしているそうだ。

商品は8個入り(1200円~・税込み)から48個入り(7500円~・税込み)まで。基本の「金胡麻」「胡桃」は必ず入り、そのほかの具材は好みのものを選ぶことができる。同じ個数でも組み合わせによって値段が変わる。季節の具材は約1~1カ月半ほどの周期で変わり、一口サイズでパクッと食べられるため、飽きずにいろいろな味を楽しめそうだ。

同店はテレビ局が近いこともあり、芸能人やテレビ関係者、舞台への差し入れとして買って行く客も多い。飛び込みで購入できることもあるが、注文の多い日は商品を渡すまで時間がかかる場合もあるそうなので、事前に予約するのをお勧めする。

いなりずしの素朴なイメージはそのままに、店のこだわりによってさまざまな個性で輝いている最近のいなりずしはかなりグルメに進化していた。取引先や職場関係者、家族のもとへ持って行けば、小粋な土産物として喜ばれそうだ。

(フードライター 古滝直実)

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