目のアンチエイジング 50歳から必要な生活習慣5つ

パソコン作業を1日4時間以上行い、運動習慣がなく食事に気をつけていないドライアイ(確定、あるいは疑いあり)の41人男女(平均年齢39.2歳)を2群に分け、一方の生活改善群には運動(4分間のスクワット、20分の歩行、10分間の軽いジョギングから毎日1種類)と食事指導(血糖値の急上昇を防ぐ低GI食と魚や野菜をバランスよくとる)をし、前向き度(ごきげん度)を高めるとされる「寝る前にその日にあったよかったできごとを3つ書き出す方法」を指導。もう一方には普段通りの生活を続けてもらった。2カ月後、生活改善群で、ドライアイによる生活障害スコアが有意に改善した。(出典:J Occup Health.;60(4):281-288.2018)

研究を見ても、坪田教授が効果を確認したドライアイを防ぐライフスタイルは、ほかの目の病気の予防においても通じるところがあるように思える。

米国で長期間看護師を追跡した大規模研究のデータから、白内障、加齢黄斑変性、緑内障のリスクを下げるライフスタイル要因を分析した研究では、禁煙、適正な体重の維持による糖尿病予防、果物と野菜が豊富な食事の摂取が大切だと結論づけている。(下表)

(出典:Am J Public Health. 2016 September; 106(9): 1684-1689.)

同じく米国で、数千人の男女を20年にわたって追跡した研究では、飲酒、喫煙、座りがちな生活習慣がいずれも視覚障害の発生率と相関していた。(注5)

※注5:Ophthalmology. 2014 Jun; 121(6): 1220-1228.

これらの研究から目のアンチエイジングにいいライフスタイルを以下の5つにまとめてみた。

〈目のアンチエイジングのために心がけたい5つの生活習慣〉
1.野菜や果物、魚などが多い健康的な食事
2.運動(座りっぱなしに気をつける)
3.ごきげん(幸福感、物事をポジティブにとらえる)
4.禁煙
5.食べ過ぎない、飲み過ぎない

坪田教授は「不調や異常があってから眼科を受診する時代は終わるべきだ。目の病気予防と全身の健康維持は両輪。アンチエイジングにいい生活を実践すると、目だけでなく糖尿病やがんといった加齢性の病気も包括的に予防していけると考える」とする。さらに、「目は体の重要な一部。活動的な生活、魚や野菜をしっかりとる食生活、前向きな思考パターンが、目のみならず全身のアンチエイジングに役立つ」と、目の健康を生活習慣から考える重要性を指摘する。

(ライター 柳本操)

坪田一男教授
慶応義塾大学医学部眼科学教室・慶応義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表

1980年、慶応義塾大学医学部卒業。日米の医師免許を取得、米ハーバード大学角膜クリニカルフェロー修了。角膜治療の世界的権威であると同時に、アンチエイジング医学の研究と啓発に長年尽力する。日本抗加齢医学会理事、日本眼科学会評議員、ドライアイ研究会世話人代表、近視研究会世話人代表などの要職に就く。
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