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アマゾンが完全ワイヤレスイヤホン その真意は?

西田宗千佳のデジタル未来図

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NIKKEI STYLE

米アマゾン・ドット・コムは2019年9月末、米国で新製品発表会を開き、19年末から20年に向けたハードウエア新製品を公開した。そのうちいくつかは日本でも発売になる。ここでは特に、2つのオーディオ製品についてご紹介しよう。これらは必ず、日本でも注目の製品になるはずだ。

「空間オーディオ」を低価格に実現するEcho Studio

アマゾンのハードウエアといえば、多くの人が思い出すのは、Kindleのような電子書籍リーダーか、テレビ向けの「Fire TV」、そして、スマートスピーカーの「Echo」シリーズではないだろうか。

筆者が今回特に注目したのは、日本でも12月5日に発売が開始される「Echo Studio」(税込み2万4980円)だ。

音声アシスタントである「Alexa」を使うためのデバイスであるスマートスピーカーは、ある意味で成熟期を迎えている。そもそもシンプルなハードウエアであり、差別化要因も少ない。音声だけでは使いづらい側面もあるので、昨年からは、ディスプレー付きの製品も増えてきた。

一方、今回「Echo Studio」で強調されたのは、スマートスピーカーの基本機能である「オーディオ」を見直そう、ということだ。

もともとスマートスピーカーは、ストリーミング・オーディオ時代にはラジカセやステレオセットのような「リビングで音楽を気軽に聞く」デバイスの代わりを務めるもの、として世に出た。今はスマートホームを含めた、より広汎な用途に向けた製品になっているが、やはり一番の用途は、米国でも日本でも「オーディオ」機能だ。

アマゾンは新デバイスの「Echo Studio」で、スマートスピーカーによるオーディオ体験を「ハイデフ」「空間オーディオ」に拡張しようとしている。

空間オーディオは、音を立体的に再現する技術のことを指す。空間オーディオでは音は自分を中心にした「立体空間の様々な場所」から鳴るもの、としてデータ化されている。例えば、自分の右上に鳥がいるとすれば、そこに「鳥」という音源が配置され、同様に足元に川が流れているとすれば、足元に「川」という音源がある、と思えばいい。音楽の場合には、ボーカルや各楽器の位置が指定される。それをソフトウエアで処理し、部屋の中を音が反響した結果として、自分の耳には「立体的に音が聞こえる」のが空間オーディオだ。

現状では、「ドルビー・アトモス」という規格が映画やゲームで広く使われているが、空間オーディオはもちろん音楽にも使える。ソニーは「360 Reality Audio」という空間オーディオ配信システムを開発し、音楽配信事業者に提供を開始した。実はアマゾンもそのうちの一つで、「Echo Studio」を使うことで楽しめるようになっている。

「Echo Studio」は1つのボディーで立体的な音場を作り上げる。超高級スピーカーの持つような体験は再現できないものの、安価に「音に包まれる」体験を提供できる。ソフトウエアの力による差別化だ。アマゾンもかなり力を入れており、同時に、空間オーディオを含む高音質音楽の聴き放題サービス「Amazon Music HD」をスタートした。それだけ戦略的に重要な製品であることがわかる。

完全ワイヤレス型イヤホンにも参入

オーディオでもうひとつ重要なのがイヤホンだ。アマゾンにイヤホンメーカーという印象を持つ人は少ないだろうが、10月30日に米国で同社は「Echo Buds」という完全ワイヤレス型のイヤホンを発売する。ノイズキャンセリング機能も搭載で、しかも129.99ドルとかなり安い。

現状「Echo Buds」は日本での発売がアナウンスされていないのだが、9月末に米国で取材して実機をチェックした際に、日本での通信規格に適合していることを示す「技術基準適合証明」(俗にいう「技適」)のマークと、電気用品安全法(PSE)マークの両方がついていることを確認している。ということは、時期はずれるものの、日本でも発売される可能性が高い。

完全ワイヤレス型のイヤホンについては、オーディオメーカーだけでなく、ITプラットフォーマーが相次いで商品化している。アップルの「AirPods」は有名だが、マイクロソフトは「Surface Earbuds」を、グーグルは「Pixel Buds」を、共に2020年に日本でも発売すると発表している。アマゾンもプラットフォーマーとして同じグループに属する、といっていい。

これらの企業が完全ワイヤレス型イヤホンに注目しているのは、音楽を聴く機器として売れているから、という事情だけではない。「音声アシスタント」を活用するために、完全ワイヤレス型のイヤホンの存在が不可欠になってきているためだ。

音声アシスタントはスマートフォンの上でも動く。今はスマホに語りかける形で使っているが、スマホを取り出さず、歩きながら声だけで応答できればもっと便利である。アップルはAirPodsでその方向性を示し、OS側でもAirPodsとの連携機能を強化している。グーグルやアマゾンも有力な音声アシスタント機能を持つ企業だから、そこに連携するイヤホンを持ち、音声アシスタントの利用を促進したい……と考えるのは自然なことである。

音声アシスタントが連携することになると、イヤホンの付加価値は「イヤホンというハードウエア」だけで決まるものではなくなっていく。スマホの上で動く、イヤホンと連動するアプリの上に、どのような機能が搭載されているかで価値が変わってくるのだ。音声アシスタントとの連動はもちろん、行動を認識して音質をチューニングする技術や、ノイズキャンセル機能の強度をコントロールする技術がそれにあたる。

こうしたソフト部分での価値追求は、オーディオメーカーにはなかなか難しい。ソニーやボーズなど、一部メーカーは数年前から気付き、積極的に「スマホと連携するアプリ」開発でイヤホンの差別化を始めていたのだが、大手プラットフォーマーが参入してくると、さらにそうした部分での競争が激化しそうだ。

結局、「Echo Studio」にしろ「Echo Buds」にしろ、差別化点はソフトにある。ハードとソフトの組み合わせで「いままでの家電メーカーとは違うものを作る」のがアマゾンのやり方だ。今回の発表では、特にその方向性が明確になったといえるだろう。

西田宗千佳
 フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。

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