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子連れ出勤、趣味の費用補助 ベンチャー社長の提案

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日経doors

「体験ギフト」を提供するソウ・エクスペリエンス。体験ギフトとは、形のある「モノ」ではなく、学びや癒やし、遊びなど無形の「体験」をチケットで贈る提案だ。事業内容もさることながら、子連れ出勤や趣味の費用を補助する制度など、働き方の取り組みもユニーク。創業当初から、顧客や社会だけでなくスタッフの楽しさを追求する姿勢を貫く社長と、制度を利用しながら働く社員3人に話を聞いた。

毎日を楽しく過ごすことが最上のプライオリティー

東京・原宿の開けた通りに面したビルの地下1階に、そのオフィスはある。倉庫も兼ねた機能的なワークスペースと、さりげなくお酒も並ぶ広々とした打ち合わせエリアは、おしゃれできれいに整頓されている。

「ちゃぶ台が置かれた畳スペースもあるんですよ。会社は平日の多くの時間を過ごすわけですから、働く場所という前に生活の場所。楽しい体験を提供する会社のオフィスは、楽しくて快適なところであってほしくて。とはいえ、地下なんですけどね」

こう笑うのは、ソウ・エクスペリエンス社長の西村琢さん。大学卒業後、パナソニックでの勤務を経て、2005年にソウ・エクスペリエンスを設立。体験ギフトの事業をスタートした。

「体験ギフトを始めたのは、贈り物のジャンルを増やしたかったという理由が一つ。それに僕自身、体験というものを大切にしていて。今日、明日を楽しく過ごすということは、人生においてもっともプライオリティーが高いと思うんです。その楽しさは、何かに興味・関心を持つことから生まれる。でも人って、忙しいとなかなか自分からは動かないじゃないですか。その入り口としての体験が人からもたらされるのなら、こんな素晴らしいギフトはないと思ったんです」

楽しく過ごすことが大事というカルチャーは、同社の働き方にも根付いている。3歳までの子どもを連れて出勤できる制度や週4日勤務など、多様な働き方を認めているのだ。最初に子連れ出勤をしたのは、西村さん自身。「子どもが小さい頃、体調面などでどうしても預けられないこともあって。その間、仕事ができないというとどうにもならないので、それなら子連れで出勤すればいいじゃんと、連れてきたんです」。すると社員からも子どもを連れて出社したいという要望が相次いだ。

「待機児童の問題があることはもちろん分かっていますけど、特別子どもを持つ人に優しくしようとか、社会問題をなんとかしようっていう気持ちで導入したわけではなくて。そうせざるを得ないこともあるし、そのほうが理にかなう働き方だから導入しました。社員も単なるわがままではなく、その人なりの正当な欲求がある。社員が心地よく働いてくれなければ会社は存続していきませんからね」と西村さんは言う。

子持ち社員に優しくしようとしたわけではない

オフィスには、キッズルームなど特別な場所があるわけではない。あるのは、子どもがはだしで遊んだり寝転んだりできる土足禁止スペースとベビーゲートで仕切られた、ベビーラックやおもちゃが並んだ場所。数人の子どもが遊ぶ脇で社員は仕事にいそしんでいる。時には赤ちゃんを抱えたままパソコンで作業する社員の姿も。社員のパフォーマンスが落ちることはないのだろうか。「それは少なからずあるとは思います。でも、個人だけじゃなくて会社にも波があるし、お互いさま。優秀な社員に長く働いてもらうことは、会社経営を10年、20年の長い目で見れば合理的です」

子どももたまに連れてこられると慣れない環境に泣いたり落ち着かなかったりすることもあるが、毎日一緒に出勤すると、オフィスにいるのが日常になり騒ぐことも少なくなるという。

働けない、預けられない優秀な人材が応募

子連れ出勤制度を利用した社員の一人が、体験サポートチームで働く竹田綾子さんだ。4人のママである竹田さんは、今年5月に4人目の子の育児休業から復帰したばかり。6年前にアルバイトとして入社したときは、2人目の子どもが産まれて7カ月だった。

「子どもが小さかったのですが、働くことが好きなので就職先を探しました。すると人づてで子連れ出勤ができるこの会社を知りました。入社後は約7カ月間週4日の子連れ出勤を続けました。最初は本当に子どもが側にいて仕事ができるのか不安でしたけど、隣に座らせていると、意外におとなしくて。当時はカスタマーサービス担当としてお客様への電話対応をしていたのですが、それでも大丈夫でした」。竹田さんはその後2回の出産を経たが順調にキャリアを重ねている。

また、子連れ出勤は働く親を支援するだけでなく、採用面でも恩恵をもたらしているという。「出産を機に仕事を辞めてまた働きたいと思っても、仕事をしていない状態では子どもを保育園になかなか預けられない。そのせいで働けない人が、当社の子連れ出勤制度を知って応募してきます。素晴らしいキャリアを持つ優秀な人がたくさん来てくださるので、うちはこの制度ですごく得しているんじゃないかと思います」と採用担当の土田真澄さんは言う。

軍資金を提供し楽しい経験を積んでもらう

この会社で働くことを楽しいと感じてほしい――。そんな思いは、子連れ出勤だけでなく、他の取り組みにも表れている。特徴的なのが各社員の興味の範囲であらゆる体験に使ったお金を、毎月上限1万円まで会社が負担する「エクスペリエンス軍資金」という制度だ。レジャーだけでなく、子どもと一緒に作るプラモデルや、スペシャリティーコーヒーを買った費用も対象になる。「楽しい」を生むすべての経験が、ギフトを提供する仕事に生かされるからだ。

週4日勤務でもOK

事業開発チームの畠田那穂さんは、食のECサイトを運営する会社からソウ・エクスペリエンスに転職。現在は食の体験ギフトを提供する加盟店の営業開拓などを担当する傍ら、プライベートでは軍資金を活用して、様々なことにチャレンジしている。「変わったレストランで食事をすることが多いです。資金の援助があるから、ちょっといいレストランにも行けますね(笑)」。そんな畠田さんは入社当初から週4日勤務を選択。残りの1日は大学で非常勤講師として働いている。「非常勤講師の仕事をぜひやってみたくて。両立できる会社はないかと探して、この会社を見つけました」

働く人の希望をかなえる制度が浸透した背景にあるのは、優しさではなくあくまで合理性だ。オフィスには明るい声が響き、キッズスペースのパステルカラーに思わず顔がほころぶが、社内に決して緩さはない。多様な働き方が許されているからこそ強いプロ意識を持って働いていることが、社員たちの自信に満ちた言葉からも感じられた。

(取材・文 川辺美希、写真 花井智子、構成 飯泉 梓=日経doors編集部)

[日経doors 2019年6月13日付の掲載記事を基に再構成]

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