「老後」まで半世紀超 長くなる若者の人生ゲーム積立王子のヤング投資入門(28)

「老後2000万円問題」が様々なメディアに取り上げられ、にわかに世間の注目を集めた我が国の年金制度で、政府が目指す政策の方向性が見えてきました。

過去の年金財政の議論は少子高齢社会の進展を前提に「受給者の給付水準を下げる」か「国民の社会保障負担を増やす」か、の二択で持続性を考えてきました。ところがここへきて政府はどうやら「全世代型社会保障」とのスローガンで第3の道を編み出したようです。

「全世代型」という第3の道

今回打ち出された制度改革案は公的年金である厚生年金の加入期間を75歳まで延ばし、同時に私的年金である確定拠出年金も企業型は70歳まで、個人型の「iDeCo」は65歳まで、それぞれ拠出可能期間を延ばすことが柱です。少なくとも70歳まで現役世代として仕事を持ち続けることを国民に広く定着させたい――。そんな政府の意思表示がくみ取れます。

人口減少が避けられない日本でこの先どうすれば労働人口を維持できるのか。移民などを選択肢に入れないとすれば、残るのは従来リタイア期とされてきた60代を現役世代に組み込み、働き手の数を増やす案です。そうして70歳までが総じて現役世代、という概念を定着させることができれば、社会保障費の負担層が厚くなり年金財政は著しく改善されるというわけです。

合わせ技で「75歳まで繰り下げ」も

現役時代としての勤労期間長期化を意図する改正に加え、注目すべきなのが公的年金の受給開始年齢繰り下げ制度です。

現在でも支給開始は65歳を前提として、60~70歳の間で国民は自らの受給開始時期を選ぶことができますが、政府にはこの選択時期の幅を75歳まで広げる意向があり、この仕組みを現役の長期化に合わせて機能させたいようです。

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