手のひらサイズのモバイル「UMPC」 ブームの兆し

日経PC21

UMPCはOSにウィンドウズ10を搭載しており、パソコンのアプリがそのまま動く。本体が小さい以外はノートパソコンとほとんど同じ。写真は「GPDマイクロPC」
UMPCはOSにウィンドウズ10を搭載しており、パソコンのアプリがそのまま動く。本体が小さい以外はノートパソコンとほとんど同じ。写真は「GPDマイクロPC」

画面が9型以下でウィンドウズ10が動く超小型ノートパソコンのことを「ウルトラモバイルパソコン」(UMPC)と呼ぶ。スーツの内ポケットに入る大きさながら、携帯ノートパソコンのように活用できる。最近になって中国の新興メーカーから新製品が続々と発売され、日本国内でもパソコン愛好家の中で隠れたブームになっている。

超小型ながらパソコン用のアプリがそのまま使えるのがUMPCの魅力だ。キーボードを搭載し、スマホやタブレットに比べて文字入力もしやすい。おもちゃのようにも見えるが、金属製のボディーの製品もあり質感は高い。

QWERTY 配列のキーボードを搭載し、ノートパソコンと同じようにタイピングできる。さらに、両手で包み込むように本体を持ちながら、左右の親指によるキー入力もしやすい。ただし英語版のキーボードが多い。写真は「GPDポケット2」

ほとんどが高解像度画面を採用しているので、文字も潰れずに表示できる。性能は下手なノートパソコンよりも高い。ベンチマークテストでは、コアi5を搭載する5年前の「サーフェスプロ3」よりも結果が良かった機種もある。ストレージはソリッド・ステート・ドライブ(SSD)やeMMCを搭載しており、ウィンドウズをストレスなく操作できる。画面を折り返してタブレットのように使える機種もある。USB端子などを備え拡張性も高い。

UMPCのディスプレイは9型以下。11~15型が主流のノートパソコンと比べるとかなり小さい。だが、解像度はフルHD 以上の製品が多く、画面はきめ細かく文字は読みやすい。写真はGPDポケット2
パソコンの総合的な性能を測定する定番ベンチマークソフト「ピーシーマーク10」を実行し、結果をグラフに表した。コアi5を搭載する5年前の「サーフェスプロ3」(マイクロソフト)より、結果が良いUMPCもあった

現在販売されているUMPCは中国メーカー製のみ。とはいえ国内の販売代理店が扱っている製品なら、日本語によるサポートも受けられ、家電量販店でも購入できる。価格は5万~10万円程度だが、開発や製造に必要な資金をネットで事前調達する「クラウドファンディング」を実施しているメーカーも多く、それを利用してお得に購入できることもある。

キー入力がしやすい2イン1モデル

「OneMix3」(ワンネットブックテクノロジー)直販価格:8万9800円
●OS:ウィンドウズ10ホーム(64ビット)●CPU:コアm3-8100Y(1.1GHz)●メモリー:8GB●ストレージ:256GB SSD(M.2 NVMe)●ディスプレー:8.4型(2560×1600ドット)●通信機能:無線LAN(11a/b/g/n/ac ))、Bluetooth 4.1 ●バッテリー駆動時間:非公表●販売代理店:テックワン

「OneMix3」(ワンネットブックテクノロジー)はCPUにコアm3、ストレージに基板タイプのSSDを搭載し、メモリーは8ギガと多い。タッチ対応の画面を360度回転させて、タブレットのようなスタイルでも操作できる。キーボードはキーピッチが広く打ちやすい。

大きさは紙のA5サイズ(幅210×奥行き148ミリ)よりひと回り小さい程度。USB端子は右側面に2つ備えており、うちUSBタイプC端子は充電端子を兼ねる。天板は金属製
ポインティングデバイスは、中央の正方形状の突起を指の腹で押して操作する。キーピッチは18ミリも確保されており、ノートパソコンとほぼ同じ。「Enter」キーや「スペース」キーなど、よく使うキーの幅が広く打ちやすい。英語配列のみ

質感の高い金属製ボディーが魅力

「GPD Pocket2」(シンセンGPDテクノロジー)実売価格:6万円前後
●OS:ウィンドウズ10ホーム(64ビット) ●CPU:コアm3-7Y30(1GHz)●メモリー:8GB●ストレージ:128GB eMMC ●ディスプレー:7型(1920×1200ドット)●通信機能:無線LAN(11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.1●バッテリー駆動時間:最大8時間(公称値)●販売代理店:リンクスインターナショナル

「GPD Pocket2」(シンセンGPDテクノロジー)は7型の液晶を採用。ボディーに肉厚の金属を使い、手触りが良い。USBタイプA端子を左右側面に備え拡張性が高い。ポインティングデバイスが右側にあり、両手で持った際、親指で操作しやすい。

USB端子が左右で3個と多い。そのうち右側のUSBタイプCは充電端子を兼ねる。厚さはたった14ミリしかなく、頑張れば胸ポケットにも入る大きさ。ボディーの素材に金属を採用しており、高級ノートパソコンのような質感を持つ。天板はロゴもなくシンプルで美しい
キーピッチは16ミリ(英語配列)。ポインティングデバイスは右上で、冷却ファンを止めるボタンもある

USBが多く有線LANも装備「GPD MicroPC」

「GPD MicroPC」(シンセンGPDテクノロジー)実売価格:5万1000円前後
●OS:ウィンドウズ10プロ(64ビット)●CPU:セレロンN4100 (1.1GHz)●メモリー:8GB●ストレージ:128GB SSD( M.2 SATA )●ディスプレイ:6型(1280×720ドット)●通信機能:有線LAN(1000BASE-T )、無線LAN(11a/b/g/n/ac )、Bluetooth 4.2●バッテリー駆動時間:最大8時間(公称値)●販売代理店:リンクスインターナショナル

「GPD MicroPC」は小型携帯ゲーム機とほぼ同じ大きさ。重さは500グラムを切る。有線LANやシリアルといった端子も備えるのが珍しい。画面は6型と小さく、ほかのUMPCと比べると解像度も低いが、小さい文字でも認識しやすい。キーは小さいもののタッチパッドを右側、マウスボタンを左側に備えており、両手で包み込むように持ちながら左右の親指で操作しやすい。

USB端子は合計4個と多い。背面に多くの端子を備えており、有線LAN端子やシリアル端子もある。マイクロSDカードスロットは左側面、イヤホン端子は前面に装備

今後も魅力的なUMPCが続々登場

「CHUWI MiniBook」(チウェイ・イノベーション)

チウェイ・イノベーションの「CHUWI MiniBook」はクラウドファンディングで出資を募っていたUMPCで、間もなく出荷が開始される。日本語配列のキーボードも用意されており、日本国内での発売も想定している。

「GPD P2 MAX」(シンセンGPDテクノロジー)

シンセンGPDテクノロジーは「GPD P2 MAX」を発売する。8.9型でUMPCとしては若干大型だが、上位モデルは16ギガのメモリーと512ギガのSSDを搭載しており、性能を強化している。

(注)掲載した価格は9月上旬に取材した時点のもので、特別な記載がない場合、消費税を除いた税別価格です。税込み価格の場合の消費税率は、記事執筆時点の8%となります。

(ライター 田代祥吾)

[日経PC21 2019年11月号掲載記事を再構成]

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