太り過ぎとやせ過ぎ がんのリスク高めるのはどっち?

日経Gooday

答えと解説

正解は、(3)太り過ぎもやせ過ぎも、がんのリスクを高める です。

一般に「太り過ぎ(肥満)」が健康によくないことは広く知られています。万病のもととされている肥満ですが、実はがんのリスクも高めます。

国立がん研究センターが科学的根拠に基づいて発表している「がんリスク評価」でも、肥満があるとすべてのがんにおいてリスクが高まる「可能性あり」となっています。なかでも、閉経後の女性の乳がんは「確実」にリスクが高まり、大腸がんと肝臓がんも「ほぼ確実」に高まるになっています。子宮内膜(体)がん、閉経前の乳がんについては、リスクが高まる「可能性あり」としています。

がん予防のプロフェッショナルで、著書も多く手がける国立がん研究センター社会と健康研究センター センター長の津金昌一郎さんは、「肥満は、インスリン抵抗性を引き起こしたり、体内に慢性の炎症状態をつくったりします。また脂肪組織では女性ホルモンのエストロゲンが生成されるため、乳がんや子宮体がんリスクが高まります。さらに、肥満によって胃液が食道に逆流しやすくなり、食道がん(腺がん)リスクを高めてしまいます」と話します。

太り過ぎだけでなく、やせ過ぎにも注意

そう聞くと、「私はやせているから大丈夫」と思っている人がいるかもしれませんが、それは間違いです。実は、やせ過ぎもまた、発がんリスクを上げてしまうのです。下のグラフは、国立がん研究センターが肥満度(BMI:Body mass index[注1])とがん発生率との関係について調べたものです。

40~69歳の男女約9万人を追跡した国内のコホート研究から、太り過ぎもやせ過ぎもがん罹患リスクが高まることが確認されている。BMIが23.0~24.9の人のリスクを1としたときの相対値(Cancer Causes and Control. 2004;15:671-680.)

このグラフから、太り過ぎでもやせ過ぎでもがん罹患リスクが高くなることが分かります。中高年でやせ過ぎの人は低栄養状態であることが多く、がん細胞や感染症に対する免疫機能が弱っている可能性があります。

肥満を目の敵にするあまり、中高年でもダイエットをする人が増えていますが、特に高齢者は低栄養によるやせ過ぎに注意すべきです。低栄養は、さまざまな病気を引き起こし、寝たきりの要因になっています。若いときに比べて、摂取したたんぱく質の利用効率が落ちている高齢者では、特にたんぱく質を多く含む肉や魚を意識して食べるようにしましょう。

津金さんは、「中高年期男性の適正BMIは21~27、中高年期女性では21~25です。この範囲に収まるよう、食生活や運動によって体重管理をしてください」と話します。

[注1]1 BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値のこと。例えば、身長が175cmで体重80kgなら、80÷1.75÷1.75=約26となる。

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday2019年10月21日付記事を再構成]

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