2019/10/30

いずれの着こなしでも大事なことは「ポケットチーフがないとさまにならない」こと。チーフの色合わせはVゾーンに対してどの色を拾っていくか。ラベンダーのコーデでは「焦げ茶かラベンダーかゴールドか。どれを選んでも結果的にはいい」。白のチーフもスタンダードで間違いないが、白いシャツが寂しく感じるのと同様、豊富な色を使った着こなしには白チーフは貧弱になりがちだと言う。

中間色を取り入れ艶っぽいビジネススタイルに

今度は細かなハンドトゥースの茶のスーツで考えてみよう。「こちらの織り柄には白が入っています。クールで清潔感があってだれにでも着こなせる。ですから白シャツは合わせてOK」。チーフはどうか。「びしっとシンプルにいきたいのでチーフはコットンかリネンの白ハンカチ。シルクのふわりとしたものを使うよりもかえってエレガントですね」。ちなみに茶系のスーツは真っ黒な髪よりも「ロマンスグレーの人が着ると最高」だそうだ。

ハンドトゥースの柄にある「白」を拾って、シャツとチーフは白できりりと

鴨志田さん自身が買いたいというシャツは身頃がベージュで襟が白というクレリックカラーのシャツ。「クレリックのベージュはあまり見当たらないもの。茶系のスーツのためにあるようなシャツ」。そこに合わせるネクタイはシックなブルーのプリント柄。こちらは鴨志田さんが「ひとめぼれした」ネクタイという。

左は鴨志田さん着用と同じスーツ。シャツはボディがベージュのクレリック。右はラベンダーを効かせたしゃれた着こなし

プリント柄は20年以上店頭でも動きがなかったが、ここにきてひそかなトレンドになっている。「主流のジャカードは重厚感が特長ですが、プリントのネクタイにはプリント柄でしか出せない色、見た目の軽さがあります。ふんわりスカーフ的な柔らかさとやさしい色調が、肩の力を抜いた今のスタイルにぴったりでしょう」。甘いトーンを崩さず、チーフもコーディネート。「(米国の俳優でダンサーの)フレッド・アステアみたい。いちばんアメリカっぽいスタイルといってもいいかな。靴は明るいスエードしか合わせたくないよね」とにっこり。

「茶系はあわせるものがありすぎて、きりがない」。中間色を取り入れていくと、これまでにない艶っぽいビジネススタイルができる。色合わせの思わぬ発見はまだ続く。次回は鴨志田流、大人のオフのスタイルを、色をテーマに教えていただこう。

(Men's Fashion編集長 松本和佳)

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