「ディフェンシブ投信」に人気集中 景気懸念根強くQUICK資産運用研究所 清家武

下のグラフは「グロイン」「円奏会」「グロ3」のシリーズと、これら3つの投信を除くすべての投信(4500本)の資金流出入を調べたものだ。過去半年で3つの投信にシリーズ合計で約6700億円の資金が流入したのに対して、3つの投信を除く全投信からは約4000億円が流出した。投資信託全体の売買が低迷するなか、これら3つの投信に人気が集中しているのがよく分かる。

景気減速局面で強み

グロインは海外株式型ファンドで、世界の高利回りの公益株に投資する。「毎月分配型」「1年決算型」の2タイプがあり、毎月分配型の純資産残高は約8300億円と国内最大級だ。過去1年間で海外株式型ファンドの多くが値下がりする一方で、毎月分配型のグロインは約16%値上がりした。配当利回りの高い米国の公益株などの上昇が運用成績に貢献した。組み入れ銘柄は電力、ガスなど業績が景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄が大半を占めるため、海外株式型ファンドのなかでは価格変動リスクが小さいのも特徴だ。

円奏会はバランス型ファンドで、純資産残高は「毎月決算型」「年1回決算型」の2タイプを合わせると約8900億円とグロインを上回る。景気への懸念で国内債券の金利が低下(債券価格が上昇)したことなどから、過去1年間で両タイプとも4%以上値上がりした。投資配分比率は国内株式15%、国内REIT(不動産投資信託)15%、国内債券70%。国内債券の比率が高く、バランス型ファンドのなかでは価格変動リスクが小さい。

グロ3もバランス型で国内外の株式、債券、REITに投資する。ただし先物などにも投資し、現物だけに投資するより高いリターンを目指すレバレッジタイプだ。米独英などの長期金利低下(債券価格は上昇)によって、「隔月分配型」「1年決算型」ともに基準価格は18年10月の設定来で25%程度上昇した。リスクを示す標準偏差は10%程度と一般のバランス型と同程度であり、レバレッジタイプとしては価格変動リスクが小さい。

グロイン、円奏会、グロ3は景気への懸念が高まる局面で強みを発揮し、運用成果を出したことで、人気を集めているといえる。

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