「ディフェンシブ投信」に人気集中 景気懸念根強くQUICK資産運用研究所 清家武

写真はイメージ=123RF
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投資信託市場で大きな資金シフトが起きている。個人投資家に人気だったテーマ型投信から資金流出傾向が続く一方、価格変動リスクが小さく、景気減速局面でも安定したリターンが期待できる「ディフェンシブ投信」に資金が集中している。日経平均株価は10月21日に連日で年初来高値を更新したが、2018年12月初めの水準を回復したにとどまる。先週末に発表された中国の19年7~9月期の実質国内総生産(GDP)伸び率は過去最低となるなど世界景気の減速懸念はなお強い。米中貿易摩擦、イランの核開発を巡る中東情勢の緊張といったリスクも長期化する見通しで、ディフェンシブ投信への関心は当面続きそうだ。

3つの投信に人気集中

テーマ型投信が資金流出に転じたのは18年秋ごろから。米中対立による世界景気への懸念から各国の株式相場が調整し、多くの個人投資家はリスクを回避するようになった。テーマ型投信は人工知能(AI)、ロボット、フィンテックなどを投資テーマとして掲げる例が多く、組み入れ銘柄は「GAFA」(グーグル、アップル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック)など米IT(情報技術)大手が中心を占める。GAFAはプラットフォーマー規制などもあり、18年10月以降に株価が大きく下落した。IT関連のテーマ型投信の運用成績も悪化し、販売は苦戦が続いている。

これに対して資金流入が目立つのがディフェンシブ投信で、高配当利回りの株式で運用するファンド、国内外の様々な資産に分散投資するバランス型ファンドなどが相当する。特に「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」(グロイン)、「東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)」「グローバル3倍3分法ファンド」(グロ3)の3つの投信が人気を集めている。個別投信の資金流入額ランキングをみると、これら3つの投信のシリーズが上位10本のうち5本を占める。テーマ型投信は5位に入った「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド(愛称:THE 5G)」だけだった。

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