つまり、理系学生は社会的ニーズの高い希少人材であるのに、自らのキャリアを考えずに、キャリア選択をしている傾向があるのです。
「物理・数学、化学、生物・農学」を専攻する学生のキャリア選択は難しい?
それでは、理系学生は、どのようなことを意識しながら学生生活を過ごしたら良いのでしょうか?そのアドバイスを求めてPOL(東京・千代田)の加茂倫明社長にインタビューをしました。POLは、研究を頑張る理系学生のための就活プラットフォーム「LabBase(ラボベース)」を運用しているベンチャー企業です。
回答数に限りがあり、あくまで参考までの指標ですが、POLの調査によると、「物理・数学、化学、生物・農学」を専攻する学生たちは、「情報、機械、電気・電子」の専攻学生と比べると、大学での学びや研究の成果を仕事の現場で活かすことが難しいと感じているようです。
自身も理系学生(東京大学工学部を現在休学中)である加茂さんは、理系就活生の問題点について次のように指摘します。
(1)自分の可能性を狭く捉えている。今持っているスキルや知識が他の業界からも必要とされることに気がついていない。
(2)その可能性に気がつかずに、まず就職してしまう。入社してから自身のキャリアについて悩む。
(2)その可能性に気がつかずに、まず就職してしまう。入社してから自身のキャリアについて悩む。
「最近、石油化学を専攻している、ある学生と話していたら、石油系の会社しか見ていなかったんです。しかしよく聞いてみると、生産量の予測シミュレーション技術などを研究していました。もったいないですよね。ある程度、産業界について知っている社会人であれば、この予測シミュレーションのノウハウは、あらゆる産業に応用できるということに気付きます。というように、専門にとらわれすぎている学生は少なくありません」(加茂社長)