パートも働き方で年金増やす 「106万円の壁」超えて

厚生年金に加入すれば将来の年金が増える
厚生年金に加入すれば将来の年金が増える

女性のパートや男性のシニア層に多い週20~30時間の短時間労働者。現在は社員501人以上の会社なら厚生年金に加入するが、今後この対象企業が拡大する見通しだ。今も対象企業で、働く時間を20時間未満に短縮して加入を避けるか迷っている人は多い。メリットとデメリットを探った。

女性は40~50歳代、男性は60歳以上が中心

かつて厚生年金への加入は週30時間以上の労働時間が条件だったが、2016年10月から対象が拡大。(1)従業員501人以上の企業(2)週労働20時間以上(3)賃金月8.8万円(年収換算約106万円)以上――などの条件を満たせば加入するようになった(図A)。

501人という企業規模の要件については撤廃・緩和する方向が社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)で固まっている。今後対象をどこまで広げるかを詰め、20年に関連法案が国会に提出される見通しだ。

16年の基準拡大以降、厚生年金に加入した短時間労働者は今年3月末で約43万人。女性は40~50歳代が多く、男性は60歳以上のシニアが中心だ(図B)。

その一方で厚生年金に加入すると保険料負担が生じる。これを避けるため働く時間を短くして年収を抑えるパート妻も多い。「106万円の壁」だ。しかし必ずしも得策とは限らない。夫が厚生年金に加入するパート妻の手取り収入が働き方によりどう増減するかを表Cで簡易計算してみた。

18年もらえば手取り減分取り戻せる

年収105万円で働いていた人が「壁」を少し超えて110万円になるとどうか。収入は増えるが保険料などが約16万円発生するため差し引きで手取りは11万円弱減る。10年働く場合、106万円の手取り減だ。

そこだけ見ると不利だが払った保険料に見合う厚生年金を将来もらえる。このケースで年金額は約5.8万円。約18年もらい続ければ手取り減分を取り戻せる計算だ。受給開始を65歳とすると83歳まで生きればいい。例えば1970年生まれで65歳に達した女性の7割は90歳まで生きるので通常は有利な計算になる。

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