物置扱いするつもり? 「keep=保管」で会話が混線デイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(20)keep

相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は「保つ」という意味を持つ基本の動詞keepについて学びましょう。

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同僚のスティーブが取引先の人から何やら品物をもらってきたようです。包みから取り出すと、それはおしゃれな花瓶でした。それを目にしたユウカが品物をほめていると、スティーブがある言葉をかけてきます。でも、ユウカにとっては戸惑いとなる一言で、一瞬考えてからムッとします。せっかくの厚意だったのですが、誤って解釈してしまったようですよ。

それはこんな会話でした。

Yuka: Wow, that vase is beautiful!
Steve: Yeah, a client just gave it to me.
Yuka: It will look wonderful if you put a lot of flowers in it at home. I like that vivid color.
Steve: You can keep it.
Yuka: Um...
Steve: I really like it, but it may be too big for my tiny apartment.
Yuka: Well, my house is not your storeroom!
Steve: Take it easy. What made you so angry?

日本語に訳すと次のようになります。

ユウカ:まあ、その花瓶、きれいね!
スティーブ:そうなんだ、取引先が僕にくれたんだよ。
ユウカ:家でたくさんのお花を入れたら映えるわよ。その鮮やかな色もいいね。
スティーブ:君にあげるよ。
ユウカ:あの……。
スティーブ:いいものだけど、うちの狭い部屋には大きすぎるかも。
ユウカ:ちょっと、私の家はあなたの物置じゃないのよ!
スティーブ:落ち着いてよ。なんでそんなに怒ってるの?

上の対話で、ユウカはYou can keep it.という英語の言い方に戸惑ったようです。もし日本語の会話だったとしたら、このような場合、もう少しはっきりとした言葉づかいをするかもしれません。英語がとても上手なユウカですが、この表現を聞いたときはちょっと日本語の発想が入り込んで、次のように考えたのでした。

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