ゴルフTDI 満を持してディーゼル、高速で本領発揮

2019/11/3
2リッター直噴ディーゼルターボを搭載したフォルクスワーゲン・ゴルフTDIハイライン マイスター(写真:峰昌宏、以下同)
2リッター直噴ディーゼルターボを搭載したフォルクスワーゲン・ゴルフTDIハイライン マイスター(写真:峰昌宏、以下同)
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質実剛健なブランドとして知られるフォルクスワーゲン。その看板車種の「ゴルフ」に追加されたディーゼルモデルは、良き選択肢となりうるか? 走りの印象のほか、装備の見どころや燃費についても報告する。

「カモがネギを背負うように…」

「軽油のGolfデビュー」と大書されたフォルクスワーゲンの特設ウェブページ。「詳細を見る」をクリックすると、「カモがネギを背負うようにGolfがディーゼルをのせてやってきた。」との見出し。うーん、特に深い意味はないのだろうけれど、ディーゼルモデルの導入にあたって、同社の排ガステスト不正事件の記憶が新しいなか、「カモネギはマズいんじゃないかなァ、カモネギは」と、人生のマイカーライフを「ビートル」(オリジナルね)で始めた心情的ワーゲンファンは思うわけです。カモネギという言葉にポジティブなイメージはあまりない。フレーズの意外性を狙うなら、例えば「破れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)のようなGolfとディーゼルエンジン」……って、スイマセン、全然ダメでした。

「ゴルフ」のディーゼルモデルは、国内では2019年10月1日に発売された。今回はそのうち、装備充実の「TDIハイライン マイスター」に試乗した

さて、2012年にデビューを果たした現行のゴルフVII。モデル末期になって、ようやくわが国でもTDIことディーゼルバージョンがラインナップされることとなった。ゴルフTDIに搭載されるエンジンは、フォルクスワーゲンファミリーでおなじみの2リッター直噴ディーゼルターボ。アウトプットはゴルフ用に仕立て直され、150PSの最高出力と、340N・mの最大トルクを発生する。排気再循環システムや微粒子捕集フィルター、そしてAdBlueインジェクターを備えたクリーンディーゼルである。AdBlueインジェクターとは、排ガスに尿素水溶液を噴射して有害な窒素酸化物(NOx)を窒素と水素に還元して無害化するデバイス。くだんの事件では、排ガス試験以外のシチュエーションで、この装置の稼働が意図的に抑えられるプログラムが組まれていた。

ゴルフTDIのグレードは、ガソリンモデルの「TSI」に準じて、「TDIコンフォートライン」(323万円)と「同ハイライン」(362万円)で構成される。TSI/TDIの装備レベルは基本的に同じだ。ただしTSIの場合、コンフォートとハイラインでは、エンジンが1.2リッターターボと1.4リッターターボ、足まわりもリアが半独立式のトーションビームと独立式のマルチリンクと明確に差別化されるが、TDIはどちらも同じディーゼルエンジンを積み、サスペンションも変わらずマルチリンク式となる。ガソリンモデルからの価格上昇幅が、ハイラインで30万円強、コンフォートでは50万円弱と異なるのは、そのためである。

どうせ買うなら「マイスター」

ハイラインとコンフォートラインの2グレードに大別されるゴルフTDIだが、実際には、装備が充実した「TDIコンフォートライン マイスター」(353万9000円)と「TDIハイライン マイスター」(391万円)が、販売現場で具体的に検討されるモデルとなろう。

「マイスター」グレードの特典を述べると、TDIコンフォートラインでは足まわりが16インチから17インチにアップし、TDIハイラインには特別意匠の17インチホイールが与えられる。さらにハイラインはレザー内装となり、スポーツシートは、ヒーター、パワーランバーサポート(運転席のみ)を備えたぜいたくなパワーシートとなる。

マイスターグレード共通のキラーアイテムは、フォルクスワーゲン純正のナビゲーションシステムと、メーター類を12.3インチディスプレイに表示するデジタルメータークラスターである。後者はちょっとした未来感があるだけでなく、多様な情報やナビの道筋を示すなど、現世利益も豊富。「どうせ買うなら」と、マイスターグレードを購入する強い動機付けになるはずだ。

プレミアムカーのクオリティー”をうたう最新型「ゴルフ」のインテリア。北欧の高級オーディオブランドであるDYNAUDIO(ディナウディオ)のサウンドシステムも自慢のひとつ
液晶タイプのメーターパネルには、写真のようにカーナビの地図を表示することができる

加えて、前後の障害物を検知して警告、場合によってはブレーキまでかけてくれるパークディスタンスコントロールや、駐車時のステアリング操作を自動で行うパークアシストなどを標準で装備する。前者は日常使いでありがたい親切装備。後者は、交通が混雑した街道沿いで使うのはちょっと厳しいが、駐車スペースが明確にペイントされた比較的すいた駐車場で実演してみせて、隣の助手にジマンすることができる。駐車にあたって、ギアをリバースに入れるといったシフト操作や速度調整のスロットル操作は運転者が行わなければならないが、目の前で、クルクルとステアリングホイールが勝手に回るのを見るのは楽しいことだ。

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