「社債投資してみたい」 満期を前提に信用力を見極め

写真はイメージ=123RF
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社債の発行が増えているようです。預貯金は金利が低く株式は変動が大きいので社債投資に興味があります。どう購入すればいいですか。

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1~9月は10兆円超え

企業が設備投資などの資金を調達するために発行するのが社債です。金利低下を受けて企業が発行を増やしており、1~9月の総額は10兆円を超え、過去最高に迫ります。多くは保険会社などの機関投資家向けですが、個人向けも約1.4兆円含まれます。

個人向けでここ数年発行が目立つソフトバンクグループは今年2回に分けて計9000億円を調達しました。電力会社や鉄道会社なども発行額が多いです。銀行は劣後債と呼ばれる社債の一種を相次ぎ出しています(表参照)。

個人向けは不特定多数に販売する分コストがかかりますが、企業としては調達先を分散する狙いがあるようです。野村証券の商品企画課長、飛岡尚作さんは「公共性の高い業種だと地域の支持者づくりを目的に発行する例もある」と話します。

社債は証券会社で一般に100万円単位で販売されます。3~10年程度の満期になると額面の金額が戻ってきます。しかし途中で経営が傾くと元本や利子の支払いが滞り、債務不履行(デフォルト)となるリスクを伴います。このため財務の信用力が低い社債ほど利率は高く、信用力が高いほど利率は低くなります。格付投資情報センター(R&I)や日本格付研究所(JCR)などが信用力を示す格付けを公表しています。

個人向け社債は「満期まで保有する投資家が9割程度」とSMBC日興証券デット・シンジケート部長、新堂尚紀さんは話します。途中売却では市場環境により価格が下がることがあります。満期保有を前提に信用力を見極めて投資するのが賢明です。

利率は全般に低下

社債の利率は全般に低下しています。例えば東武鉄道が1月に発行した3年債(格付けA)は0.15%と、1年前の発行分より0.01ポイント低くなりました。金融アナリストの久保田博幸氏は「一般的に利率が国債や定期預金と比べてさほど高くなければ元本割れリスクをとって投資する意味は薄い」と指摘します。

ソフトバンクGが9月に出した7年債(同Aマイナス)は利率が1.38%と高めで人気を集めました。ファイナンシャルスタンダード社長の福田猛さんは「比較的利率の高い社債を選ぶにしても1社に偏らず分散したほうがよい」と話します。個人向け社債では2001年にマイカルがデフォルトした例があります。

[日本経済新聞朝刊2019年10月19日付]