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えっ、宝塚歌劇が池袋に? 夢かなえた豊島区の奮闘

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日経ARIA

2019年12月、池袋に宝塚歌劇がやって来ます。11月に「国際アート・カルチャー都市」の拠点として池袋東口にオープンする「東京建物Brillia HALL」のこけら落とし公演の1つが、宝塚歌劇団星組による『ロックオペラ モーツァルト』となりました。豊島区はなぜ宝塚歌劇を招きたかったのか? 宝塚歌劇団がそれに応じた理由とは? 宝塚歌劇団理事長の小川友次さん、東京都豊島区長の高野之夫さんに聞きました。

ファン期待の星組大型コンビが池袋でお披露目

―― 東京2020オリンピックを控え、再開発が活発化する東京。池袋は大中小8つのホールが集まる「Hareza池袋」(2020年グランドオープン)が話題です。そのメインホール東京建物Brillia HALLのこけら落とし公演が宝塚歌劇(以下、タカラヅカ)ということで、40~50代の女性ファンが熱くなっています。

小川友次・宝塚歌劇団理事長(以下、敬称略) 池袋の変化を象徴するHareza池袋のメインホールということで、星組の新トップコンビ、礼真琴(れいまこと)と舞空瞳(まいそらひとみ)のお披露目公演『ロックオペラ モーツァルト』を持っていきます。二人とも若手ながら「超」の付く実力派です。

高野之夫・東京都豊島区長(以下、敬称略) すでに有名なミュージカルですが、タカラヅカでは初演と伺い、本当に力を入れてくださっているのだな、と感じ入っています。

小川 「モーツァルト」はフレンチポップのミュージカルで、そもそも非常に難しい演目なんです。演者たちには大きな力量が求められますが、礼と舞空のコンビは期待に十分応えてくれるはず。見応えのある舞台になると私は自信を持っています。

タカラヅカで街のイメージを明るく

―― そもそも「タカラヅカと池袋」という組み合わせに意外性があります。

小川 実は私も豊島区からお話をいただいたときの第一声が「え、池袋にタカラヅカ?」(笑)。正直に申しますと、少し戸惑いました。

高野 私は池袋に生まれ育ち、この街が大好きなのですが、残念なことに池袋のイメージは長く「暗い、怖い、汚い」の3Kでした。この街のイメージを明るく変えていくことは区政を担って20年以上になる私の念願。旧豊島公会堂の建て替え案が出たときから「タカラヅカを呼べる劇場に」と考えていたのです。


今から5年前の2014年に、東京23区で唯一「消滅可能性都市」として名指しされた豊島区(*注)。以来、女性に好かれる街づくりに挑戦し続け、若年女性人口を回復させました。 


*日本創生会議・人口減少問題検討分科会が2014年に発表した推計。出産年齢といわれる「若年女性(20~39歳)」の人口が2010年から2040年にかけて半減する都市を「消滅可能性都市」とした

小川 タカラヅカの舞台はよくご覧になっていたのですか。

高野 亡くなった家内に引っ張られて見に行くようになったのは十数年前からです。華やかで元気で、まさに「清く、正しく、美しく」を地で行く舞台に、見るたびに引き込まれていきました。以来、年に数回は、娘や知人たちと一緒に劇場に足を運ぶ、タカラヅカファンのひとりです。

小川 当初こそうまくイメージできませんでしたが、池袋は西口に「東京芸術劇場」、東口に「あうるすぽっと」があり、文化活動の実績をお持ちです。何よりも高野区長のリーダシップで、街がダイナミックに変わり始めた。一方、宝塚歌劇団としても常に新たなファン層を開拓していきたい。これはいい話だなと、私の方もどんどん前向きになっていきました。

高野 私が最初に兵庫県宝塚市にある宝塚歌劇団にお願いに伺ったのが、ちょうど小川さんが理事長に就任された2015年です。2014年の宝塚歌劇団100周年以来、タカラヅカの注目度はさらに高まり、さぞいろいろな方面からのアプローチがあったことと思います。

小川 正直に言って、さまざまなオファーをいただいています。でも実際に上演するには、ハード面、ソフト面ともに、タカラヅカに対する深いご理解が必要で、なかなか難しい。Hareza池袋では、行政がここまで大型の劇場事業を企画して、情熱を持って積極的に進めておられた。私どもにとっても心強かったですね。

「タカラヅカ仕様」に設計図を引き直す

高野 実際、タカラヅカを上演するためには、設備面の整備が課題でした。通常、劇場の楽屋口は4トントラックが出入りする大きさを想定して設計しますが、タカラヅカを上演するには11トントラック、それも2台同時の搬入口が必要だ、と伺いました。

小川 タカラヅカは装置も大がかりなので、そこはどうしても必要になってしまうんです。

高野 新時代の劇場として、どの客席からも舞台がよく見えるようにすること、さらに災害時に安全なことを大前提にしていましたが、タカラヅカを上演するとなると、楽屋の数、廊下の幅、エレベーターの大きさ、そして動線と、すべて設計図を引き直さねばなりませんでした。出演者の数も多いですし、衣装も小道具もすべて大がかりで豪華ですからね。歌劇団からもたくさんアドバイスをいただきました。

小川 みなさんの熱意には、私たちも頭が下がりました。

高野 でも、劇場をここまで整備すると、歌舞伎、ミュージカル、バレエと、あらゆる舞台に対応できるのです。ですから、こちらこそ感謝しています。

女性に愛されたい! トイレにこだわり

―― 劇場内の女性用トイレには区長のタカラヅカ観劇経験を生かしたこだわりがあるそうですね。

高野 劇場内に42室、劇場の2階とつながる「としま区民センター」に35室、合計77室の女性用トイレを作りました。結果的に区民センターの2階、3階はフロアの大半がトイレです。最初、その指示を出した時は、職員、関係者とも「池袋駅前の最高立地に、こんなに多数のトイレを作るなんてありえない」と。しかし、タカラヅカの観劇経験から、女性に愛される劇場になるためには譲れない点でした。

小川 宝塚大劇場(宝塚市)、東京宝塚劇場(東京都千代田区)でも、女性用トイレの充実は最優先事項の1つです。区長は観劇時にも、ウオッチを欠かさないのですね。

高野 やはり決定的だったのは2014年に豊島区が「消滅可能性都市」と名指しされたことでした。私が大好きな地元、頑張って財政再建を果たした豊島区がどうして消滅するのか? と、一時はひどく落ち込みました。その時に、女性に好かれる街にならねば生き残っていけない、と方向性を強く決意したのです。

(取材・文 清野由美、写真 太田未来子)

[日経ARIA 2019年10月2日付の掲載記事を基に再構成]

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