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画像はイメージ=PIXTA

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あり得ないようなトラブルを巻き起こす「モンスター部下」が最近増えているという。相談をよく受ける社会保険労務士の石川弘子氏は、その実態と対処法を近著「モンスター部下」(日経プレミアシリーズ)にまとめた。石川氏が相談を受けたモンスター部下の実態を同書から紹介する。

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Y税理士事務所 概要
中小零細企業から上場企業まで幅広い顧客を持つ税理士事務所。記帳代行や税務申告といった一般的な税理士業務に加え、中小企業向けのコンサルティングも行っている。職員は20代から30代を中心に40名ほど。
 
登場人物
S木:30代前半の女性職員。新卒からY税理士事務所に入り、税理士資格を取得。丁寧な仕事ぶりと気遣いで顧客の信頼が厚い。今年から新人教育も担当することになった。
M原:今年の春に大学を卒業してY税理士事務所に入った新人男性職員。学生時代に起業した経験がある。自己啓発書やビジネスセミナーに参加することが大好きで、いわゆる「意識高い系」。
K田:今年の春に短大を卒業してY税理士事務所に入職した女性職員。専門職になりたくて、税理士資格取得を目指している。同期のM原のことは少し苦手に思っている。
Y川所長:Y税理士事務所の所長。サラリーマン時代に税理士資格を取り、20代のうちに開業。明るく大らかな性格で、業績も順調に伸ばしてきた。

ミスを注意すると「こんな仕事、AIに取って代わられますよ」

「やっぱ、税理士事務所ってオワコンでしょ。この事務所もあくまでもコンサルになるためのステップだしね」

K田は、仕事帰りに同期のM原に誘われて入ったカフェでかれこれ1時間近くM原のキャリアプランを一方的に聞かされ、うんざりしていた。今年の春にそれぞれ新卒としてY税理士事務所に入ったK田とM原は、同期が2人だけなので、何かと行動を一緒にすることが多い。M原は、学生時代に起業していた経験があるらしく、「ベンチャー企業の○○社の社長とは知り合いだ」「○○異業種交流会で○○さんと新たなビジネスモデルについて話した」などといった話題が多い。ごく普通の短大生で、専門的な仕事をしたいという気持ちからY事務所に入職したK田としては、異次元の話を聞いているようだ。最初は単純にM原の話に感心していたK田だが、だんだんとうんざりし始めていた。

(税理士事務所がオワコンって思っているなら、違う業界に就職すればよかったのに……)

K田はそんなふうに思いつつ、黙ってM原の話を聞いていた。

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