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だらしないしぐさは意外に目立つ。画像はイメージ=PIXTA

だらしないしぐさは意外に目立つ。画像はイメージ=PIXTA

「人は中身」。その通りだ。しかし、ビジネスシーンの現場では「見た目の印象で勝負が決まることが珍しくない」。そう言うのは、『印象はしゃべらなくても操作できる』(サンマーク出版)を書いた木暮桂子氏だ。仕事で損をしない、賢い「印象操作」の心構えとテクニックを教わった。

第一印象は後から取り戻せない

ビジネス現場の初対面シーンでは、服装やしぐさ次第で、本題に入る前から、残念な結果が出ているケースもある。「見た目の第一印象を、後から取り返すのは、至難のわざ」と、木暮氏はファーストコンタクトの重要性を説く。漫画『北斗の拳』では主人公が「お前はもう死んでいる」という名せりふを吐くが、プレゼンテーションや商談が始まる前に「死んでいる」のでは、せっかくの準備やチャンスが無駄になる。

大手企業・団体の顧客から、経営幹部や幹部候補クラスへのコーチや研修を求める依頼が引きも切らない。ただ、木暮氏が教えているのは、華美な着こなしや飾った振る舞いではない。「実力を発揮できないという、もったいない損をしないよう、本来のイメージを正しく伝える」という点を重んじている。逆に言えば、少なからぬ人が見た目で損をしているわけだ。

2005年にベストセラーとなった『人は見た目が9割』(竹内一郎著、新潮新書)が出て、見た目の大切さは日本でも広く知られるようになってきた。言葉以外の情報・表現を指す「非言語コミュニケーション」という言葉も認知度が上がった。木暮氏は「見られることへの意識は、この10年でかなり高まった」とみる。

しかし、謝罪会見に派手な色のネクタイを締めて出るような、本来、発信すべきメッセージとはずれた装いや、謝罪の意思を感じ取りにくいような、尊大とも映るボディーアクションなど、「必ずしもまだ十分に非言語コミュニケーションの大切さが浸透していないとみえる場面も多い」(木暮氏)。

しゃべっている内容と表情、しぐさにずれがあると、「本心は別にあるのではと、勘ぐられてしまいがち」。つまり、ちゃんと伝わらなくなってしまう。伝わる度合いが下がるだけでもよくないのに、下手をすると、「正反対のメッセージを印象づけてしまう大失敗にもつながりかねない」(木暮氏)。動画や写真がすぐに拡散するSNS時代にあって、いったん起きたボタンの掛け違いは取り返しがつかない。

動画を撮ってチェックする

多くのミスは油断から生じる。非言語コミュニケーションでも同じようだ。木暮氏によれば、「気を抜いた瞬間が危ない」という。たとえば、壇上で別の人が話しているとき、「自分の番ではない」と、一休みを決め込むと、顔や足が油断する。「くたびれた、やれやれ」といった「地」の表情が出てしまい、それまでの建設的な発言を台無しにしてしまう。「聞く立場の状態は、話すとき以上に、表情や目線に要注意」と、木暮氏はアドバイスする。打ち合わせや会議でも有益な助言だろう。

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