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ラジオドラマに挑戦 声の演技は奥が深い(井上芳雄)

第54回

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NIKKEI STYLE

井上芳雄です。10月21日からNHK-FMで放送されるラジオドラマ「青春アドベンチャー『紺碧のアルカディア』」に出演します。先日収録があったのですが、ふだんミュージカルでご一緒している花總まりさんや坂本真綾さんと、セリフだけのお芝居をするのが新鮮な一方、言葉で演技する難しさも感じました。

「青春アドベンチャー」はNHK-FMで毎週月曜から金曜の夜に15分間放送している連続ラジオドラマで、1992年から続いている長寿番組です。僕が出るのは2017年の『また、桜の国で』以来2回目。それは原作ものだったのですが、今回の『紺碧のアルカディア』は並木陽さんによるオリジナル脚本です。

物語の舞台は13世紀初頭、「最悪の十字軍」と呼ばれた第4回十字軍による、東ローマ帝国の古都コンスタンティノポリス攻撃という史実をベースにした全10回の歴史ロマンです。僕は東ローマ帝国皇子の役。叔父がクーデターで帝位を簒奪したため、国を追われるのですが、祖国復興の理想を抱いて戦いに身を投じるという設定です。

主役は花總まりさんで、ヴェネツィア共和国元首の孫娘にして辣腕の女船長という役どころ。彼女が助ける東ローマ帝国皇女を演じるのが坂本真綾さん。その皇女の弟が、僕が演じた皇子です。ほかにも舞台でご一緒する俳優の方も多く、「このままミュージカルになりそうだね」と収録の合間に話したりしました。でも歌は全くなく、セリフだけです。

僕は、6月から8月までミュージカル『エリザベート』に出ていて、夏の間は歌の仕事も多く、たくさんのセリフを言う機会があまりなかったので、どちらかというと歌のほうに気持ちがいっていました。今は逆に、役者の期間というか、言葉で演技をする機会が多い時期。10月からは井上ひさしさんの最期の戯曲による舞台『組曲虐殺』でプロレタリア作家の小林多喜二を演じています。今回のラジオドラマも言葉の演技です。

僕はもともと歌から俳優の道に入ったので、歌の方が得意で、セリフはまだ分からないことも多いのです。しばらくやってないと、さじ加減をちょっと忘れてたりもします。『組曲虐殺』のけいこでは、久しぶりにセリフの練習をしていたら、演出の栗山民也さんから、「滑舌がよすぎるな」と言われました。滑舌って、いいにこしたことはないんじゃないかと思っていたので、何がよすぎるんだろうか。それで思ったのが、歌は詞を届けるのが大事だけど、お芝居はなによりもその人に見えないといけない。なので、あまり日常と切り離されたしゃべり方をすると、逆に違和感があったりするのかもしれない。自分でも気づかないうちに、歌の発声になっていたのかなと。といって、あえて滑舌を悪くするのも難しいのですが、しゃべりのスピードは変えられるし、井上ひさしさんの戯曲のしゃべり方というのもあるんだろう。やっぱりセリフを言うって難しいな、と感じました。

 そんなことを思っているなかでのラジオドラマの収録でした。花總さんとは、ついこの間まで『エリザベート』で共演していました。ミュージカルではセリフが多いわけではないので、今回はたくさんしゃべっているのが、すごく新鮮に聞こえました。坂本真綾さんとは、二人芝居のミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』で共演しています。声優もやられている真綾さんは、抑揚の付け方や情景が見えるようにしゃべるのがうまくて、さすが声だけで演技するプロだと感じました。ほかの共演者の方も、舞台でお芝居をやってらっしゃる方の発声とか、みんなそれぞれに違うんです。

役作りはそれぞれの俳優が準備

その中で、自分はどう演じたらいいか。僕の実年齢より若く、真綾さんが演じる皇女の弟で、理想に燃える皇子という設定なので、一本気な感じを出そうとは思いました。声は高くて大きめ、早口になったり怒りっぽかったりと、若くてエネルギーがあふれているようにしゃべってみたので、そう聞こえていればうれしいですね。

花總さんや真綾さんとのバランスにも気を使いました。花總さんは男たちを率いる女船長という設定なので、とても低い声で男役みたいにしゃべっていて、真綾さんはいつもよりプリンセスっぽくしゃべっていました。その2人やほかの役者さんとのバランスがとれるようにと。

とはいえ演出の方もいらしたし、僕自身がすごく考えたり、何かを用意して臨んだわけではなく、普段通りの自然体ではありました。例えば声色を変えるとかはできないし、やったところで上手にできる気もしないので。

ラジオドラマは、役作りの仕方もずいぶん違います。舞台だと1カ月かけて、みんなでけいこしながら、ああでもない、こうでもないと毎日、役を深めていきます。一方、今回のラジオドラマは、台本はあらかじめいただいていて、収録の日は朝9時ぐらいに行き、「よろしくお願いします」で始まり、台本の読み合わせをして、すぐに「本番いきましょう」という流れです。役作りはそれぞれの俳優がしてきて、あまりに違えば、演出の方が調整するという感じでした。

僕はミュージカルだけではなく、ストレートプレイと呼ばれるセリフ中心のお芝居もやっているし、旅番組のナレーションもしています。それに加えて今回のラジオドラマをやらせていただいたり、最近はアニメーションの声優もやりました。声の仕事にもいろいろあるんだとあらためて思ったし、それぞれ奥が深い世界ですね。

井上芳雄
1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第55回は11月2日(土)の予定です。

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