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「日米の差」に揺らぐリケジョ心 米国の大学院で学ぶ

米国大学院発(1)

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NIKKEI STYLE

こんにちは!米国南部のワシントンアンドリー大学での学びを「アメリカ南部奮闘記」として連載してきました香山葉子です。5月に卒業し、この秋にノースカロライナ州立大学の大学院に入学しました。活性炭を使った浄水技術を研究しています。ここからは、私が感じる日米の大学院生活の違いなどをつづっていきます。

日本と米国の大学院で最も違うのは、大学院で勉強する学生へのバックアップ体制の差ではないかと思います。実は私は将来的には日本に帰国したいと考えていましたが、日米の格差を見るにつけ、卒業後に日本で就職することに前向きになれなくなっています。

研究環境の格差が原因で、優秀な日本の人材が海外へ流出してしまっていることを、私は米国で肌で感じています。

実際、日本人でも学部の段階から海外に進学する人が最近増えてきているようです。NIKKEI STYLEにも「授業料は東大の10倍 それでも米MITを選ぶ理由」という記事が出ていました。MITやハーバード、プリンストンなどの米国の名門大学の学部に進学した場合、絶対に日本に帰国しないとはもちろん言い切れませんが、特に理系で大学院に進みたい人は、日本に戻るという選択肢は取りにくいのではないでしょうか。

私自身、米国で学部を卒業した後に日本に帰国して大学院に進みたいとも考えました。しかし、米国の大学院と日本の大学院を比較した結果、米国の研究環境のほうが私には合っていました。何がどう違うのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

まずは金銭面です。私は、返済不要の奨学金を受給しています。私のまわりの多くの理工系大学院生も同じように返済不要の奨学金をもらっています。

理工系大学院生への手厚い金銭援助

もちろん学費のローンを組む学生もいますが、私のように、研究論文発表を必要とする課程では、月々10万円程度が支給されるケースが多いです。

この金銭的な後押しがあることで、米国の理系の学生は日本に比べて研究に集中できるのです。日本の全国大学生活協同組合連合会のウェブ記事にもありましたが、日本の大学院生は、受給可能な奨学金が少ないため、アルバイトなどに時間や労力を割かれているのが現状のようです。

次は大学院での指導教授との人間関係や研究の忙しさなどを見てみましょう。

例えば、日本の大学院では研究室によっては「コアタイム」という必ず研究室にいなければならない時間が設けられている場合があるそうです。

米国では、少なくとも私は「コアタイム」というものを聞いたことがありません。私の教授や同じ学科内の教授は週1回、進捗状況を報告してアドバイスをするというスタイルで、いつ何をしようが学生の自由です。一方で、日本では夜遅くまで研究室にいる、または徹夜をするような院生もいると聞きます。

理系女子を阻む「ガラスの天井」

さて、次は理系女子、いわゆるリケジョの就職状況についてです。私もリケジョです。

東洋経済オンラインで、「企業の研究開発に女性が少なすぎる大問題」という記事を見つけました。研究職希望で企業に就職したい女性研究者は、見えないけれどそれ以上は上の立場になれない「ガラスの天井」にぶつかることがあるといいます。結婚や出産による仕事の中断を嫌がる企業があるということです。

同じ記事の中で、企業に勤める男性研究者が約60万人いるのに対し、企業勤めの女性研究者は3万人という数字が紹介されていました。民間企業にいる女性の研究者は極めて少数派ということです。

これでは私を含め、特に米国など海外の大学で研究をしているリケジョにとって、日本の雇用市場はあまり魅力的には映りません。

金銭面や研究環境の日米格差は、男女問わず当てはまる問題です。研究に公的資金を十分に当てられていない政府、働き方改革に積極的ではない企業が原因となり、国外への理系人材の流出が止まらない状況を生み出してしまっているのではないでしょうか。

香山葉子(こうやま・ようこ)
 千葉県出身。1996年生まれ、市川学園中・高(千葉県市川市)を卒業し、米ワシントンアンドリー大学を卒業。ノースカロライナ州立大学の大学院に入学。趣味はバスケ・料理・歌うこと。日・中・英・仏の4カ国語を用い、将来は発展途上国でテクノロジーを通じて価値を創造する働き方をしていきたい。

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