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数字で語る能力が、ビジネスの武器になる時代がやってきた

数字で語る能力が、ビジネスの武器になる時代がやってきた

数学は今や、ビジネスパーソンの必須科目の一つといえよう。「わかってはいるけれど、書店に並ぶ数学本を読んでみてもなかなか頭に入らない」。こんな読者には、今回紹介する『仕事で数字を使うって、こういうことです。』をお薦めしたい。ビジネス教育家による啓蒙書で、ビジネスシーンで威力を発揮する数学の使い方を丁寧に解説している。数字が苦手な営業マンを主人公とするストーリー仕立てになっており、「数学スキルを身につければ、仕事は充実する」という学びの楽しさが伝わってくる一冊だ。

◇  ◇  ◇

「根拠なき主張」を聞く余裕はない

深沢真太郎氏

深沢真太郎氏

著者の深沢真太郎氏はビジネス数学の専門家として活躍しています。日本大学大学院総合基礎研究科で理学修士(数学)を取得。予備校講師や外資系企業の管理職などを経て、研修講師として独立しました。「ビジネス数学検定」で国内初の1級AAAの認定を受けているこの分野の第一人者として知られています。深沢氏の専門とするビジネス数学とは、何でしょうか? 本人の説明を引用します。

 私は「ビジネス数学教育家」として活動する国内で唯一の人物です。ビジネス数学とは、数学を使いこなして成果を出すビジネスパーソンになるために学ぶもの。学校教育での数学とはまったく異なるものです。カンタンにいえば、ビジネスに役立つ「数学」と「論理」のトレーニング。
研修や講座などでこれまで延べ1万人近くのビジネスパーソンとお会いしてきました。
(文庫化にあたってのはじめに 4ページ)

深沢さんは「数字で語る能力が、ビジネスの武器になる時代がやってきた」と力説します。「あらゆるビジネスシーンで数字をベースにして事実を語らないと信頼されません。データの裏付けがない主張は聞いてもらえません。いかに成功するかを考えるよりも、いかに失敗しないかを考えてしまう現代のビジネスパーソンには、根拠なき主張を聞けるほどの余裕はもうないからです」

本書は、読者になるべく親近感を持ってもらうためにストーリー形式で展開していきます。舞台設定は架空のアパレル会社「ブライトストーン」。やり手の営業マンで営業部のリーダーでもある木村斗馬(28)が主人公です。感性と気合で成績を上げるタイプの木村に対して、数学科出身で理系女子の柴崎智香(27)が数学的思考をたたき込んでいくという筋立てです。

何事もまず、慣れることが肝心。著者は柴崎の言葉を借りて「数字アレルギー」克服法を解説します。それは「数会話」です。

柴崎:木村さん、今後しばらくは私との会話には必ず「数字」を入れてください。
木村:(ま~た、わけわからんことを言いだしたぞ)はあ、何で?
柴崎:いいから、どんな会話でも必ず数字を入れること。名付けて「数会話」(ニコッ)。
木村:面倒くさっ!お断りだ。第一、何で"上から"なんだよ。
柴崎:これ、社長と部長から了承をもらっているんです。業務命令ですよ(ニコッ)。
(第1章 数字を使って会話できますか? 65ページ)

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