令和の就活女子 会社選びは「転職しても役立つ技能」

2019/10/22

――企業が発信する「女性の働き方」をどうみていますか。

Bさん「出産・育児をしながら女性が働き続けることを企業が担保するのは当然だと考えている。『○○マークを取得している』『働きやすさで表彰された』などと、あたかも企業の魅力のようにアピールされると『わざわざ言うことなのかな』と違和感が残る」

Aさん「私も違和感を覚えることが多い。ある企業の説明会で、時短勤務や休職制度について説明する冊子が配られた。そこには『女子学生向け』と書かれていた。男性も協力できる育児や介護まで、企業は女性の仕事だと捉えているんだな、と感じた」

Cさん「女性管理職の人数や割合など企業が数字で語ることに対し、疑問を感じる。重要なのは女性の比率を高めることではなく、能力があって管理職を希望する女性が昇進できる環境なのではないか。数値をアピールするために女性を昇進させているのなら、本末転倒だ」

Bさん「大学のサークルで役職に就いていることもあり、これまで組織における性差を感じたことはなかった。それだけに企業の女性管理職比率の低さには驚いている。にもかかわらず、それが高い数字であるかのごとく語られると、企業側と自分の認識のずれを感じる」

――就活するうちに、志望するのをやめた業界や企業はありますか。

Aさん「OB・OGと学生をつなげるマッチングアプリで、当時志望していた業界のOBと知り合った。その男性から『勉強会』と称して自宅に誘われた。断れたので事なきを得たが、セクハラする社員が当たり前に働いている企業なのだと幻滅した。その男性が『業界内の企業から軒並み内定を獲得した』と話していたので、業界に対する意欲もしぼんだ」

Bさん「女性の先輩の就活体験談を聞いて、受けるのを避けている企業はある。男性比率の高い業界で、企業の人事担当者から『女の子は珍しいから覚えておくよ』と言われたうえ、その後説明会ですれ違うと声をかけられたという。就活生と異性の線引きができない社員に不信感を抱いた」

Cさん「社員の個性が見えないと志望意欲がうせる。入社後に価値観や考え方まで似たり寄ったりになるのでは、自分らしく生きていけない気がするからだ」

仕事観、企業より一歩先 ~取材を終えて~

21年4月に入社予定の就活生が、どこでも通用する力が得られることを重視する姿が際立っていた。リクルートキャリア就職みらい研究所の増本全所長は「就活生にとっての『安定』が、一つの会社で働き続けることから、場を変えても仕事を続けられる自分になることに変わった」と指摘する。働きやすさと自己成長は二者択一ではないという価値観を反映しているのだろう。

記者が就活を始めた2年前は、ワークライフバランスに着目して企業を探す女子学生が多かった。一方で企業は今なお、女子学生はライフイベントを念頭に働きやすい職場を選ぶと決めつけてはいないか。彼女たちの意識や仕事観は企業より一歩先に進んでいるという印象を受けた。

(田中早紀)

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