目の健康守る

ドライアイがうつリスク招く? 角膜と視機能守るケア

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

ドライアイを放置すると、角膜にもダメージが及ぶ(写真はイメージ=PIXTA)
ドライアイを放置すると、角膜にもダメージが及ぶ(写真はイメージ=PIXTA)

目がチクチクする、ゴロゴロする、書類やパソコン画面がかすむ――こんな症状があるなら、「ドライアイ」のサインかもしれない。目を潤し、傷の修復作用も担う涙がきちんと働かないドライアイを放置すると、目の窓といえる「角膜」にもダメージが及ぶ。その状態が続くと視機能低下を招くばかりでなく、仕事の効率が低下する、うつや睡眠障害のリスクまで高まる、とする研究報告もある。すべての視覚情報の入り口である角膜の重要性を再認識し、簡単なセルフケア方法を知っておこう。

■オフィスワーカー3人に2人は「ドライアイ」

パソコン作業に従事する女性の76.5%、男性の60.1%がドライアイ――。国内のオフィスワーカー561人を対象に行われた疫学調査の結果だ。これは、「ドライアイ確定」と「ドライアイの疑い」を合計した数字だが、ドライアイの人たちでは、仕事の生産性が低下していただけでなく、幸福感や睡眠の質も落ちていた。※注:Cornea. 2018 Nov;37 Suppl 1:S62-S66

ドライアイで乾燥の被害を受けるのは「角膜」だ。

「角膜は目の一番前にある透き通った膜で、ものを見るときの窓のようなもの。角膜の表面を涙の膜が覆い守っているが、この涙の量が減少したり、分泌された涙がどんどん蒸発したりしてしまうと、ドライアイになる。医療現場では、(1)目の不快感や見えにくさといった自覚症状、(2)涙液の異常(目を開けてから角膜の上の涙液が乾き始めるまでの時間が5秒以下。眼科ではBUT検査と呼ぶ)の両方の症状があると、ドライアイと診断する」と、東邦大学医学部眼科学講座の堀裕一教授は説明する。

加齢に伴い発症リスクが上がる白内障、緑内障、加齢黄斑変性などの眼疾患に関係するのは、水晶体や網膜、視神経といった部位。一方、パソコンやスマートフォン(IT機器)、エアコンなど近年急速に広がった生活スタイルの影響を目の表面で直接受けるのが角膜だ。年齢に関わらず急増しているドライアイと「角膜危機」の実態を見ていこう。

まず、ドライアイのチェックから。目安となるのが、目の不快感だ。最近、あなたにはこんな症状はないだろうか。以下の項目のうち、複数あてはまるものがあったらあなたはドライアイかその予備軍といえる。

<ドライアイ自覚症状チェック>
□目を10秒以上開けられない
□目がしょぼしょぼする
□目が疲れやすい
□目が乾いた感じがする
□目がゴロゴロする
□目が重たい
□目が痛い
□目やにが出る
□目が充血する
□光をまぶしく感じる
□ものがかすんで見える
□目がかゆい
□涙が出る

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。