中食の市場規模が1.2兆円を超えた。10月からは軽減税率の追い風も吹き、勢いはさらに加速しそうだ。そこでテークアウト、宅配グルメを中心に徹底調査。2020年のブレイク候補も発掘した。昨日の食品に続き、スイーツに焦点を当てた。
19年3月にローソンで大ヒットした「バスチー バスク風チーズケーキ」を皮切りに、街中に「新種」のチーズスイーツが続々登場。「18年はチーズタッカルビやラクレットチーズなど食事系メニューがトレンドとなったが、その波がスイーツやドリンクにも押し寄せている」と食品卸の三菱食品は語る。
注目は、東京駅にオープンした「マイキャプテンチーズTOKYO」だ。チーズバーガーの形を模した「チーズチョコレートバーガー」が発売から100日で累計販売数74万個のヒットを記録。18年11月にオープンした「now on Cheese♪」は、レアチーズサンドからレアチーズソフト、チーズクッキーまで多様なチーズスイーツを用意。なかでも「レアチーズサンド」は月に約1万個ほど売れる人気商品だ。
大流行したタピオカのように、見た目と食感を重視したスイーツも人気だ。プリン専門店のPOPOCATEでは、食感の違いによって複数のプリンを用意。現在は「POPOやわ」と「POPOかた」が同じくらい売れているという。「滑らか、とろとろ」が最近の流行だったが、今年は「硬め」のプリンが復活を果たす流れがある。フードジャーナリストの里井真由美氏は、「今の若者には硬めのプリンが逆に新鮮に見えている」と分析する。
●発売100日で累計74万個を販売

「マイキャプテンチーズTOKYO」は19年4月、東京駅にオープン。インパクトある見た目の「チーズチョコレートバーガー」が話題。チェダーチーズの塩気とチョコなどの甘みがマッチした味わいで、1日で最大2万個を販売した。
●多様な商品がそろうチーズスイーツの専門店

「now on Cheese♪」は18年11月ルミネ新宿に1号店をオープンしたチーズスイーツ専門店。レアチーズサンドやレアチーズソフト、チーズクッキーなど種類が豊富だ。レアチーズサンドは、平均月間1万個を販売し、イベントシーズンには完売となることも。11月1日開業予定の「渋谷スクランブルスクエア」にも出店の予定。
●「液状化」スイーツが話題に

シュークリーム専門店「ビアードパパ」を運営する麦の穂が、新たに仕掛けるのが「飲むケーキ」だ。「イロドリアザヤカ」を6月から千葉県市川市に出店。見た目がSNS映えするとヒット。一番人気の「ストロベリーショートケーキ」は1日に300杯売れたこともあるという。
●韓国屋台から渋谷に上陸

韓国の屋台から火が付いた「イチゴあめ」。イチゴが何個も連なったインパクトある見た目はYouTuberなどの紹介で日本でも知名度が高まり、19年6月に専門店「ストロベリーフェチ」がオープン。
1号店は渋谷109の地下2階のグルメフロア「MOG MOG STAND」にあり、女性客が殺到している。ティラミスなどのトッピングも、人気の理由の一つ。3カ月弱で7万本を販売した。
●「硬めプリン」が復権

プリン専門店「POPOCATE」では、食感の異なるプリンを販売する。プリンのトレンドが「硬め」に回帰しつつあり、「POPOやわ」と「POPOかた」が人気を二分。店舗では1日250~300個売れるといい、売り切れることもある。
[日経トレンディ2019年11月号の記事を再構成]