メインで使える吸引力 2キロ以下スティック掃除機
コードをコンセントに挿す手間が不要で、掃除したいときにサッと手に取り掃除が始められるコードレススティック掃除機。2018年にはコード付きのキャニスター掃除機を販売台数で逆転し、スタンダードとしての地位を確立している。
とはいえ弱点もある。モーターなどの重い部品を手元に設置するため、重心が高くなるので、キャニスター掃除機に比べて疲れやすいことだ。高い性能を維持するためには重量が重くなるのは避けられなかった。しかし最近、モーターを小型化し新素材を開発することで軽量化を実現したモデルが続々登場している。
そこで今回は、メイン機として使える「吸引力」を備えつつ、本体重量2キロ以下を実現した3モデルを紹介する。
自然に動かせるから疲れにくい/パナソニック
パナソニックから10月に登場したのは、パワフルな吸引力を誇るハイスペック機「パワーコードレス」シリーズの軽量モデル「パワーコードレス MC-SB30J」。モーターを小型化し、電池と直線的にレイアウトすることで、重量を1.6キロに抑えながら、吸い込み仕事率100ワットと高い吸引力を実現した。
グリップ部分も含めた形状は使いやすさにもつながっている。掃除機を前後に動かす際、人が歩くときの腕の振りに近い動きで操作できるため、自然な動きで掃除できるというのだ。グリップ部にも握ったときにフィットしやすい突起があり、用途に応じて握る位置も変えられる。
自立はしないが、グリップ裏にゴムがついているため、壁などに立てかけても倒れにくく、そのまま充電も可能。運転時間は、HIGHモードで約6分、ON(標準)モードで約20分(すき間ノズル使用時は約25分)。充電時間は約3.5時間。
最軽量クラスで人気/日立
日立グローバルライフソリューションズのコードレススティック掃除機「ラクかるスティック PV-BFL1」は、同社史上最軽量の本体質量1.4キロ。強力な吸引力と小型・軽量の両立が評価され、2019年2月の発売から9月までで、計画の1.5倍の売り上げを達成し、同時期に発売された機種のシェア20%以上を獲得したという。
ファンモーターは、専用の「小型・軽量ハイパワーファンモーターTR」を開発。独自の3連固定翼「トリプルディフューザー」が空気の流れを効率よく制御し、小型・軽量ながら強力な吸引力を実現した。繊維強化プラスチックを採用した延長パイプと自走コンパクトヘッドも軽量化に貢献している。
ハンディー時の本体質量は0.95キロと1キロを切り、家具まわりの掃除も手軽にできる。立てて収納できるスティックスタンドが付属。運転時間は、強モードで約8分、標準モードで約30分(自走コンパクトヘッド非使用時は約45分)。充電時間は約3.5時間。
着脱バッテリーで最長120分運転/シャープ
他社に先駆けて、2016年12月にコードレススティック掃除機の軽量タイプ「RACTIVE Air(ラクティブ エア)」を発売したシャープ。以降改良を重ね、2019年7月には1台で家中をしっかり掃除できるパワーや使用時間を備えた「RACTIVE Air POWER(ラクティブ エア パワー)」を発売した。
7セル25.2ボルトの大容量・高電圧充電式リチウムバッテリーと大風量高圧3Dファンモーターを搭載。吸排気経路も最適化することで、特に汚れが気になる場所を5秒間掃除する「フルパワーモード」時に、従来機比約1.5倍の吸引力を発揮する。
バッテリーは着脱式で、1個あたり最長約60分間(弱モード・「スグトルブラシ」など付属の吸い込み口装着時)の運転が可能。標準で2個付属しているため、途中でバッテリーを差し替えれば、最長120分間連続で掃除ができる(同)。バッテリーの充電時間も1個あたり約80分と急速だ。
パワフルになったぶん、本体重量は従来機より0.4キロ重い1.9キロになったが、自走アシスト機能を改良したことでフローリング掃除時の筋負担量は約38%軽減しているという。バッテリー2個連続使用時の運転時間は、強モードで約24分、自動モードで約60分、弱モードで約90分(付属の吸い込み口使用時は約120分)。
白物家電・美容家電を中心に、暮らしにまつわるモノやコトを幅広く取材、執筆するフリーライター。リアルな主婦目線で、日々の家事が楽しく快適になる家電の取り入れ方を積極的に発信する。
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